五文字付(読み)ごもじづけ

精選版 日本国語大辞典 「五文字付」の意味・読み・例文・類語

ごもじ‐づけ【五文字付】

〘名〙
① 雑俳様式の一つで、初期笠付別名。五文字。
※雑俳・西国船(1702)「抑、この五もし附といふ事は、元祿六とりのとし四月十一日、やつがれはじめて、吹簫軒におゐて興行せしぞかし」
② 笠付から派生した簡略体の雑俳様式。五文字題に五文字を付けるのを原則としたが、題も付句字数にこだわらないようになった。大坂では単句とも呼んだ。五文字。
洒落本・禁現大福帳(1755)一「或人五文字附(ゴモジヅケ)といへる事を翫(もてあそび)し時」

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世界大百科事典(旧版)内の五文字付の言及

【笠付】より

…〈待兼て〉というような5文字の題に〈わざと寝言にいふ嫁入(よめり)〉(《奈良土産》)のように7・5の句を付け,その付合を楽しむもの。古くは〈五文字付〉〈烏帽子付〉〈かしら付〉とも呼び,江戸では〈冠(かむり)付〉が多く用いられた。元来,連歌俳諧の句の仕立方の練習に行われた〈切句〉をヒントに,前句付(まえくづけ)の簡略体として,1693年(元禄6)ころ京都の雲鼓(うんこ)らが発明。…

【賭博】より

…そこでより多くの人々を引きつけるために,より簡便な,解答しやすい方法があみ出された。点者が5文字の句を出題して,7字と5字の合計12字の作句をする〈五文字付〉が考案された。たとえば点者が〈戸を明けて〉と出題し,これに〈ここではないぞ門違い〉と付句する。…

※「五文字付」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」