雑俳様式の一つ。〈待兼て〉というような5文字の題に〈わざと寝言にいふ嫁入(よめり)〉(《奈良土産》)のように7・5の句を付け,その付合を楽しむもの。古くは〈五文字付〉〈烏帽子付〉〈かしら付〉とも呼び,江戸では〈冠(かむり)付〉が多く用いられた。元来,連歌俳諧の句の仕立方の練習に行われた〈切句〉をヒントに,前句付(まえくづけ)の簡略体として,1693年(元禄6)ころ京都の雲鼓(うんこ)らが発明。前句付に次ぐ雑俳の主要様式として,人情風俗を詠み,とくに上方で流行した。笠付からは,題の5文字を《小倉百人一首》から取る〈小倉付〉,付句を5音にした〈五文字〉,下五を題とする〈沓(くつ)付〉,中にもじりを入れる〈もじり〉,句を連続させる〈笠段々〉などの諸様式が派生した。〈骨折て・明智は天下たゞ三日〉(《住吉躍》),〈憎い事・妾の面ざし有る捨子〉(《冠付かゞみ磨》)。一方,宝永(1704-11)ころから笠付点取を模して賞金を出す博奕〈三笠付〉が流行して禁令が出るなど,創作とは別の要素が点取流行の裏に働いていたことが知られる。
→伊勢笠付 →点取俳諧
執筆者:鈴木 勝忠
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…平易な,日常の会話に似た解答がなされた。上の句が最初から付いているので,〈烏帽子付(えぼしづけ)〉〈笠付(かさづけ)〉〈冠付(かむりづけ)〉などと呼ばれた。笠付などは雑俳と総称されるが,3句1組の〈三笠付〉,連鎖風に続ける〈段々付〉など多様な型があらわれた。…
※「笠付」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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