五箇の調べ(読み)ゴカノシラベ

デジタル大辞泉 「五箇の調べ」の意味・読み・例文・類語

ごか‐の‐しらべ【五箇の調べ】

きんの5種類の弾き方。また、その調子掻手かいで片垂かたたり水宇瓶すいうびょう蒼海波そうがいは雁鳴がんめい五つ筑紫箏つくしごとでもいう。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「五箇の調べ」の意味・読み・例文・類語

ごか‐の‐しらべ【五箇調・五個調】

  1. 〘 名詞 〙(きん)の五種類の奏法。
    1. [初出の実例]「仲忠に給ひつるせいひの御琴をごかのしらべながらとりいで給て」(出典:宇津保物語(970‐999頃)内侍督)

五箇の調べの補助注記

河海抄」では掻手(かいで)、片垂(かたたり)水宇瓶(すいうびょう)、蒼海波(そうがいは)、雁鳴(がんめい)の五種とするが、典拠も不明で、実態の復元もなされていない。これに対して、宝暦一三年(一七六三)の山県大弐「琴学発揮序文‐温故」にみえる「古之琴調五焉。曰宮音。鐘黄正宮調也。曰商音。簇太縵宮調也。曰角音。呂仲緊羽調也。曰微音。鐘林縵角調也。曰羽音。射無清商調也。是実正宮一均。而其音順旋五絃也」とある五音を「五箇の調べ」の本義とする説もある。また、「胡笳の調べ」とする説(「原中最秘鈔」「河海抄」)もある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android