五重十操記(読み)ごじゅうじっそうき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五重十操記」の意味・わかりやすい解説

五重十操記
ごじゅうじっそうき

雅楽の音楽理論書。著者未詳。平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて成立したといわれる。「五重記」と「十操記」の2部よりなり,前者は雅楽の演奏に熟達するための心得を述べ,優れた芸術論を展開し,後者は笛の吹奏法を述べるのに,楽曲リズムの点から分類して実際に即した演奏論を解説している。『続群書類従』管絃部所収。

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世界大百科事典(旧版)内の五重十操記の言及

【雅楽】より

…2人の著者の真偽に関して今日ではおおむね否定的であるが,《五重記》は独特の芸位論に,また《十操記》は拍子による笛の吹きわけに特徴がある。両者を併せ《五重十操記》として流布している。以後,大神惟季(?)《懐竹抄》,大神基政《竜鳴抄》(1133),凉金《管絃音義》(1185),中原有安《胡琴教録》(1190),藤原師長《三五要録》《仁智要録》,俊鏡《糸竹口伝》,藤原孝道《夜鶴抄》《新夜鶴抄》《知国秘抄》,隆円《文机談》などが生まれた。…

※「五重十操記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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