井後御厨(読み)いじりのみくりや

日本歴史地名大系 「井後御厨」の解説

井後御厨
いじりのみくりや

井尻いじり町の鈴鹿川北岸にあったと推定される。この地域は鈴鹿川河岸段丘上の沃地で、古墳の存在が示すように古くから開けており、「吾妻鏡」文治三年(一一八七)四月二九日条には、この年三月の公卿勅使駅家雑事の勤仕を免除されていた荘園として「後院御庄内(中略)井後村」の名がみえ、後鳥羽天皇の後院領であった。また同書承久三年(一二二一)八月七日条には「内宮御料、後院領伊勢国安楽村、井後村」と記すが、これは同年五月に起こった承久の乱で幕府に没収され、鎌倉方が勝利を収め世上が平穏に復したことを奉謝するために、北条政子によって井後村が伊勢大神宮(内宮)に寄進されたことを示す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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