些も(読み)ちっとも

精選版 日本国語大辞典 「些も」の意味・読み・例文・類語

ちっと‐も【些も】

〘副〙
副詞「ちと(些)」を強めた言い方。少しでも。いささかでも。しばらくでも。
※足利本人天眼目抄(1471‐73)中「鏡もちっとも手を著けば自然の光を昧ますぞ」
滑稽本浮世風呂(1809‐13)三「こっちは昼の労れでちっとも早く寐てへと思居るに」
② (下に打消表現を伴って) 少しも(…ない)。全く(…しない)。ちとも。
※金刀比羅本保元(1220頃か)下「為朝ちっともさはがず、づむと立て」
史記抄(1477)八「天下が如此に彊と云に服したほどに、ちっともはたらくまいぞ」

ちと‐も【些も】

〘副〙 =ちっとも(些━)
平家(13C前)九「火をつけたれば、ひるにはちともおとらずして」
※古活字本毛詩抄(17C前)三「文公心中と云物は、ちとも詐がない人ぞ」

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