人さらい(読み)ひとさらい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「人さらい」の意味・わかりやすい解説

人さらい
ひとさらい

日暮れどきに出現して幼児をさらって行くといわれていた妖怪(ようかい)。夕暮れまで戸外に遊んでいる子供を戒めるのに昔はよく使われた。コトリゾ、カクレババ、フクロカツギ、アブラトリ、カクシンボなどともいい、こうした妖魔が現れて幼児をさらって行くと思念され、タソガレ、マクマクドキなどともいう薄暮には、とくに幼童が襲われると久しく信じられてもいたのである。室町時代の『臥雲(がうん)日件録』などには、「子取尼」なるものが京都に現れて人々を驚かせたという記事も載っている。しかし「ヒトサライ」は、むしろ薄暮に跳梁(ちょうりょう)すると信じられてきた俗信所産で、「神隠し」の伝承とも相通ずるところであろう。とはいえ、古くから実際に幼児を誘拐して利をむさぼる悪党がなかったわけではない。

[竹内利美]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

夏の暑さに体が慣れること。数日から数十日間で起こる短期暑熱順化と、数年または数世代にかけて起こる長期暑熱順化とがある。→寒冷順化[補説]近年では、冷房設備の普及にともない短期暑熱順化が起こりにくくなっ...

暑熱順化の用語解説を読む