仁井田堰(読み)にいだせき

日本歴史地名大系 「仁井田堰」の解説

仁井田堰
にいだせき

豊成とよなりの東、河辺郡河辺町野田高屋の豊島館のだこうやのとしまだて下で岩見いわみ川より用水路を開き、秋田市四ッ小屋の末戸松本よつごやのすえどまつもと小阿地こあじの台地端を回り、仁井田に至る。全長は一一・三キロ、受益耕地面積は現在で一千二四〇ヘクタールといわれ、仁井田普通水利組合の管理下にある(秋田市史)

雄物川は洪水が頻繁なため自然堤防の発達が著しく、河岸の低地より水面が低いため、用水源を直接雄物川に求められなかった。ふる川の辺り、雄物川の蛇行部に沿った河辺郡仁井田村・牛島うしじま(現秋田市)地内に新開の差紙を得た梅津憲忠は、開墾の用水確保のため堰の普請を行った。弟政景は「梅津政景日記」元和三年(一六一七)五月二一日条に「半右衛門(憲忠)戸嶋関普請ニ付参候間同心致候、関出来、夜ニ入罷帰候」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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