開墾(読み)かいこん

精選版 日本国語大辞典 「開墾」の意味・読み・例文・類語

かい‐こん【開墾】

〘名〙
山林原野を切り開いて、耕地にすること。
続日本紀‐養老六年(722)閏四月乙丑「以備水旱、仍委所司、差発人夫、開墾膏腴之地良田一百万町」 〔宋史‐太祖紀〕
② 明治一七年(一八八四)の地租条例で第二類地、すなわち池沼、山林、原野、雑種地に労力や費用をかけて、第一類地、すなわち田、畑、郡村宅地、市街宅地、塩田、鉱泉地とすること。

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デジタル大辞泉 「開墾」の意味・読み・例文・類語

かい‐こん【開墾】

[名](スル)山野を切り開いて農耕できる田畑にすること。「原野を開墾する」
[補説]書名別項。→開墾
[類語]開拓開発切り開く

かいこん【開墾】[書名]

原題、〈スペインTalaチリの女性詩人ミストラルの第三詩集。1938年、アルゼンチンブエノスアイレス刊行。「タラ」とも。

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普及版 字通 「開墾」の読み・字形・画数・意味

【開墾】かいこん

荒地をきりひらいて田畑を作る。〔晋書食貨志ごろ魏武皇、~征伐の中に於て帶甲の士をち、宜に隨ひて開墾せしむ。故に下(しも)甚だしく勞せずして、大功克(よ)く擧るなり。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「開墾」の意味・わかりやすい解説

開墾
かいこん

山林を切り開いて農地や宅地,道路,水路などにすること。一般的には,伐木→刈払い→火入れ→抜根→荒起し→砕土の順序で行われる。昔はほとんど人力で行われたので,ある程度の生産力をもち,畜力で耕作できる耕圃になるまでには数年を要したが,第2次世界大戦後は荒起し作業まで機械開墾方式が普及している。

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世界大百科事典(旧版)内の開墾の言及

【開拓】より

…未耕地を開いて農用地,集落,道路などをつくり,そこに移住して生活を営み農業を行うことをいう。山林や原野を耕地にする開墾および農地造成技術,湖沼や海に堤防をきずいて内部を排水して耕地にする干拓技術が必要であるとともに,入植者が経営を可能にし,地域社会として発展させる農村計画上の諸技術や営農上の諸対策も求められる。以下,まず技術的な問題について述べる。…

【開発】より

…〈かいはつ〉ともいう。荒野・荒蕪地を開墾することは超時代的に行われたことであるが,とくに平安期から鎌倉期にかけての開発は,荘園制・領主制・中世村落など中世社会の骨格となる諸要素形成の基礎となった。用語面でも,初期荘園の開墾では〈墾開〉〈治開〉とかが用いられたが,平安初期になると〈開発〉がしだいに使用されるようになる。…

【墾田】より

…未墾地に対する既墾田を意味する場合と,新たに開墾した田を意味する場合とがある。また開墾予定地を墾田地ともいう。…

【新開】より

…中世・近世,荒野などを開墾して田畠・屋敷あるいは道などをつくること,またその開墾した土地をいう。例えば《吾妻鏡》正治元年(1199)4月27日条には,〈東国分地頭等〉に命じて〈水便荒野〉を新開せしめたとある。…

【新田】より

…荒野などを開墾してできた新しい田地。隠田が領主に申告されていない田地であるのに対して,新田は検注によって領主に把握されている田地である。…

【棚田】より

…しかし,河川のはんらんの影響などを受けることなく,低いなりに安定した収穫を期待できる。古代以来,各時代で棚田型の開田は行われたが,小規模な労働力で開墾できるため,とくに中世以降に活発な棚田型開発が進行した。〈迫田〉〈沢田〉〈谷田〉〈谷戸田〉〈山田〉などと呼ばれる田地がそれである。…

※「開墾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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