今須村(読み)いますむら

日本歴史地名大系 「今須村」の解説

今須村
いますむら

[現在地名]関ヶ原町今須

山中やまなか村の西、近江坂田さかた郡境に位置し、中山道今須宿を形成した。村域は南にも広がり、その南部より今須川が発し、宿場付近で流れを東に変える。文献上は居益・今洲ともみえる。地名由来には日本武尊が当地に滞在したことから生じたとするもの、今須城(居益城)城主長江重景の母妙応が年貢取立てには大升を用い、米を貸す際には小升を用いた、つまり異升を用いたことからというもの、また元禄年間(一六八八―一七〇四)村方の困窮はなはだしい状態を今後はすべからく心機一転すべしということから今須の字をあてたというものなどがある。中世は今須郷として推移するが、郷内に長江氏の居城居益城があったとされる。「美濃明細記」などによれば応仁二年(一四六八)一〇月守護代斎藤妙椿に攻められ、城主景秀・元景父子が戦死したという。城は当地妙応みようおう境内にあったというが未詳。長江氏のものという墓が同寺にある。「江濃記」には居益城主として永井・永江氏と記される。

「信長公記」天正一〇年(一五八二)四月二一日条に「今洲に御茶屋立て、不破彦三一献進上候なり」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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