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仕掛け絵本ブーム しかけえほんぶーむ

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知恵蔵の解説

仕掛け絵本ブーム

ページの中のつまみを引くと絵の一部が動いたり、絵がめくれたりするのが仕掛け絵本。本を開くと絵が飛び出てくる仕掛け絵本にはポップアップ絵本、飛び出す絵本、立体絵本といった呼称もある。ルーシー・カズンズ「メイシーちゃんシリーズエリック・ヒル「コロちゃん」シリーズ、エリック・カール『はらぺこあおむし』、五味太郎『てのひら絵本』など近年の作品は、世界各国の子どもたちを喜ばせ、それぞれが累計数百万部というベストセラー。遊び感覚で楽しませる仕掛け絵本の対象は子どもだが、2004年ごろから20代、30代の女性を中心に大人たちにも人気が広がってきた。きっかけは米国のロバート・サブダ『不思議の国のアリス』(原作ルイス・キャロル、日本版は大日本絵画)が発売されたこと。紙の魔術師、ポップアップの天才と呼ばれるサブダの一連の作品は精巧で立体感にあふれたデザインが称讃され、大人の感性をとらえた。仕掛け絵本は通例、ヒット作で5000部から1万部単位で増刷されるが、『不思議の国のアリス』の日本版は3990円という高定価にもかかわらず、2万部単位の増刷で、すぐに売り切れる状態が続いた。仕掛け絵本の製作は、印刷製本技術が発達した今日も最終工程の組み立ては1冊ずつ手作業。この高速デジタル時代に依然として丁寧な手作りであることが伝わって仕掛け絵本ブームを呼んだともいえる。なお製作人件費比率が高い仕掛け絵本の多くが中国、タイで印刷製本されている。『不思議の国のアリス』は、大日本絵画が欧米各国分を取りまとめて10数万部単位で中国へ発注している。

(村上信明 出版流通ライター / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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