デジタル大辞泉 「手作り」の意味・読み・例文・類語 て‐づくり【手作り】 1 機械を使わないで、手で作ること。店で買わないで、自分の手で作ること。また、その物。手製。「母の手作り」「手作りの料理」2 「手捻てびねり」に同じ。3 中世、荘園で、領主直営の田畑。4 近世、地主が田畑を小作に出さずに自分で耕作すること。5 手織りの布。「多摩川にさらす―さらさらになにそこの児のここだかなしき」〈万・三三七三〉[類語]手製・自家製・ハンドメード 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「手作り」の意味・読み・例文・類語 て‐づくり【手作・手造】 〘 名詞 〙 ( 「てつくり」とも )① 手ずから作ること。直接自分でこしらえること。また、そのもの。手製。[初出の実例]「いと使ひよきてづくりの針の、耳いと明らかなるに」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)「お雪は勝手の方から、何か手造りのものを皿に盛って持って来た」(出典:家(1910‐11)〈島崎藤村〉下)② =てづくり(手作)の布[初出の実例]「多摩川に曝(さら)す弖豆久利(テヅクリ)さらさらに何そこの児のここだ愛(かな)しき」(出典:万葉集(8C後)一四・三三七三)「麻の細き(テヅクリ)を織りて、夫の大領に著す〈国会図書館本訓釈 弖都九里〉」(出典:日本霊異記(810‐824)中)③ 轆轤(ろくろ)や型などを使わないで手でつくる陶器。手づくね。[初出の実例]「手造の器は、蛭子の神足たたずともたつとも、流しやる物のみなり」(出典:随筆・胆大小心録(1808)一四〇)④ 田畑を手ずから耕作経営すること。中世以後、地主が農民に労役を課したり雇用したりして田畑を直接経営すること。特に近世、広く行なわれた。[初出の実例]「若此於田畠、或手作と称して、地本にいろい」(出典:金沢文庫古文書‐正中二年(1325)三月一七日・平胤連田畠等打渡状案(七・五三四七))「其の祖父、伊勢の国に先祖の手作したる田地有しを」(出典:政談(1727頃)二)⑤ 自分自身で事に当たること。他にまかせないで、みずから行なうこと。[初出の実例]「ひざまづきて、懸殿の手づくりに候となんいひける」(出典:奥州後三年記(1347)下)⑥ ( 形動 ) 自分で工夫をしたり創作をしたりすること。また、そのさま。[初出の実例]「正義にも、注にも、附録にもせぬぞ。手づくりに申さうぞ」(出典:土井本周易抄(1477)三)⑦ 大型和船の船尾外艫の上に設けた船頭の指揮用やぐら。仕出し。〔日葡辞書(1603‐04)〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例