付纏(読み)つけまとう

精選版 日本国語大辞典 「付纏」の意味・読み・例文・類語

つけ‐まと・う ‥まとふ【付纏】

[1] 〘他ワ五(ハ四)〙 包むようにしてからだをおおう。
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉七「衣服骨肉の如く斯様につけ纏ふ今日に於て
[2] 〘自ワ五(ハ四)〙 =つきまとう(付纏)
※詞葉新雅(1792)「ツケマトウ まつはるる」
若い人(1933‐37)〈石坂洋次郎〉上「山形先生とY先生はまだ二三のお母さん達につけまとはれて居た」

つき‐まと・う ‥まとふ【付纏】

〘自ワ五(ハ四)〙 いつもそばを離れないでつき従う。比喩的に、物事がうるさいほどついてまわることや、ある気持や考えが脳裏から離れなくなることもいう。つけまつわる。つけまとう。
※苔の衣(1271頃)四「なつかしき御ありさまを見しりがほに、まゐり給ひぬればつきまとはれ給ひつつ」

つき‐まつわ・る ‥まつはる【付纏】

〘自ラ四〙 そばに付いて離れないでいる。比喩的に、ある気持や考えなどが離れないでからみつく。つきまとわる。
浄瑠璃・心中天の網島(1720)橋尽し「ふたりの玉しゐつきまつはり地ごくへもごくらくへも連れ立て下さんせ」

つき‐まとわ・る ‥まとはる【付纏】

※浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)鐘入「浄頗梨の鏡に影の立そふごとくに、つきまとはって」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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