仮想事故(読み)かそうじこ(英語表記)hypothetical accident

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「仮想事故」の意味・わかりやすい解説

仮想事故
かそうじこ
hypothetical accident

原子力施設の安全性を審査する際に,技術的見地からは起こるとは考えられないが,立地条件適否判断する条件の一つとして仮想する事故。 1964年5月に原子力委員会が決定した「原子炉立地審査指針及びその適用に関する判断のめやすについて」により,所要の低人口地帯の範囲および人口密集地帯から原子力施設までの距離を求めるために,あるいは技術的見地から起こるかもしれないと考えられる重大事故よりも多く放射性物質が外に放出されると,また安全防護施設のいくつかが働かないと仮定して放射性物質の拡大を仮想する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の仮想事故の言及

【原子炉事故】より

…これ以外に,原子炉施設の立地の妥当性を判断するために,技術的に起こるとは考えられないほど過大な放射性物質の放出を仮定した事故についても,そのもたらす放射線被曝が解析される。この事故を仮想事故という。事故の原因となる故障の発生状況は国によって異なるが,日本の例では原子炉当り1年に1回程度の頻度で発生しており,その発生部位は表2,その原因は表3のようになっている。…

※「仮想事故」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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