伊佐見郷(読み)いさみごう

日本歴史地名大系 「伊佐見郷」の解説

伊佐見郷
いさみごう

山県郡内にあった鎌倉末期から戦国期にみられる郷名で、現高富町中東部の伊佐美いさみを遺称地とする。嘉元四年(一三〇六)六月一二日の昭慶門院領目録(京都大学蔵古文書集)に「西伊佐見郷兵衛佐局」とある。亀山法皇から皇女昭慶門院に譲与された遺領のうちの美濃国の国衙領に含まれており、昭慶門院が本家職を、兵衛佐局が領家職を所有していたと思われる。貞和三年(一三四七)四月七日の足利直義袖判下知状(反町茂雄氏所蔵文書)には「富永庄内伊佐見郷年貢事」とあり、富永とみなが庄に含まれており、かつ領家職をもつ花山院家雑掌重慶と地頭佐々木中務丞実清女子の代官行重との間の相論が載る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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