伊加流伎庄(読み)いかるぎのしよう

日本歴史地名大系 「伊加流伎庄」の解説

伊加流伎庄
いかるぎのしよう

礪波郡二五条・二六条に位置し、天平勝宝元年(七四九)の勅施入によって占定された野地一〇〇町からなる古代の奈良東大寺領庄園。現地比定については、現砺波となみ市東部を流れる現在の庄川以西・以東のいずれの地にあてるかが問題となるが、北側の石粟いしあわ庄と南側の井山いやま庄との間で条数を考えると、旧北般若きたはんにや(現高岡市)から柳瀬やなぜ(現砺波市)辺りにかけての庄川以西(本流を含む)の地域が有力地となろう。

天平宝字三年(七五九)一一月一四日の東大寺越中国諸郡庄園総券(東南院文書)ならびに同日付の礪波郡伊加流伎開田地図(正倉院蔵)に「伊加流伎野地壱百町 未開」とみえる。絵図の端書の四至には、「東岡山 南利波臣志留志地 西神窪并故大原真人麻呂地 北寺田」とあり、図中でも南側に「外従五位下利波臣志留志地」、北側の隣接地に「寺田」の文字を書入れている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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