朝日日本歴史人物事典 「伊勢貞春」の解説
伊勢貞春
生年:宝暦10(1760)
江戸後期の有職故実家。通称,万助。財翁と号す。父貞敦は貞丈の養子,母が貞丈の娘。江戸の生まれ。父が病身のため惣領を辞し,明和5(1768)年貞春が嫡孫承祖として家督相続人となる。諸書に貞春を貞丈の子とするのはそのためである。天明4(1784)年,貞丈の死去により食禄300石を継ぎ,寛政1(1789)年御小姓組御番勤となる。家学を継承し,門人の求めに応じて貞丈の著書を刊行した。同8年幕命を受けて『武器図説』を編集する。ほかに『室町殿屋形私考』などの著がある。国学者屋代弘賢はその門人。
(白石良夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報