食の医学館 「ツクシ」の解説
ツクシ
《栄養と働き&調理のポイント》
ツクシはシダ植物のスギナの胞子茎です。同じ根から別に生える栄養茎はスギナと呼ばれ、お茶や薬用酒として利用されます。スギナはツクシとちがい、食用にはあまり向きません。
ツクシは高さ10~15cmくらいで、節々にかたいハカマをつけています。荒れ地や土手など、肥料の乏しいやせた土地によく生えています。
○栄養成分としての働き
栄養成分として、カロテンが比較的多く含まれ、体内でビタミンAにかわります。カルシウム、鉄分などミネラルも含んでいます。とくに食物繊維が豊富なので、美肌の維持や便秘(べんぴ)の改善に効果が期待できます。薬効としては、カリウムが多く、利尿作用が知られています。
摘むときは、穂が開かず、緑色っぽいものを選びます。穂の部分が開いてしまったものは全体的に筋張っているので、おいしくありません。
調理に使う際は、頭の部分の黄色の胞子を手で挟んでもむようにして取り除きます。茎についているハカマもかたいので取り除きます。そのあと、塩を入れた湯でさっとゆでて水にさらし、冷まします。
てんぷら、煮もの、たまごとじ、和えもの、ツクシご飯などに使います。ツクシご飯をつくるときは、アクを抜きます。重曹(じゅうそう)を加えた水につけてから、生のまま炊(た)き込んでください。若いうちのスギナは、ゆでてつくだ煮にして食べます。