伐木造材(読み)ばつぼくぞうざい(英語表記)felling and bucking

改訂新版 世界大百科事典 「伐木造材」の意味・わかりやすい解説

伐木造材 (ばつぼくぞうざい)
felling and bucking

立木を伐倒して枝を払い,用途にあわせて一定の材長に鋸断(きよだん)(玉切り)して丸太にすること。伐倒にはチェーンソーが用いられるが,手のこが用いられることもある。伐倒しようとする場合には,まずチェーンソーによって受口をつくる。受口は,立木を倒そうとする側で,地上から約30cmの位置につくられる∠状に切り込まれた溝である。受口をつくった後,受口の反対側から受口の上縁の高さの位置に,反対側からチェーンソーを水平にして切り込む。50~60cm以上の太い立木を伐倒する場合には,チェーンソーの背後からくさびを打ち込んで伐倒する。くさびを用いるのは鋸断操作を助け,伐倒方向を確実にするためである。伐倒方向が不確実であると,伐倒木が立木にひっかかったり,集材に手間がかかることになる。伐倒された木材は枝を切り,幹の元口から梢端に向かって一定の寸法(たとえば一般材は2m,柱材は3m)に玉切りして丸太にする。造材では樹皮をはぎ取ることもある。北山丸太などの優良材は,伐倒後,梢端に生きた枝を残し,剝皮しないで自然乾燥をうながし,材のひび割れを防ぐ。造材は,丸太を運搬しやすくするために,普通は伐倒現場で行うが,伐倒した木材を枝払いしただけの全幹材で搬出し,平たんな場所で玉切りする方法もある。全幹材として搬出する方法は,作業条件のあまりよくない伐倒現場で造材する方法にくらべ,土場や盤台などの平たんな場所で玉切りするので危険が少なく作業能率もあがるが,長い材を搬出しなければならない。北アメリカ,スウェーデンなどの地形条件のよいところでは油圧伐採機および造材処理機械を用いて高い生産性をあげている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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