位袋(読み)いたい

精選版 日本国語大辞典 「位袋」の意味・読み・例文・類語

い‐たいヰ‥【位袋】

  1. 〘 名詞 〙 大宝令に定められた装身具一種親王諸臣朝服に着けた袋。袋の色、緒の色および結び方は位階によって異なった。養老六年(七二二)に廃止
    1. [初出の実例]「停止位袋事。右奉勅旨」(出典令集解(722)衣服)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

関連語 名詞 実例

世界大百科事典(旧版)内の位袋の言及

【魚袋】より

…中国唐代の官制には魚符の制があり,朝廷に出入りする官吏はすべて官職氏名を記入した魚形の金属板を携えていた。これには金,銀,銅の区別があり,三品以上は金,五品以上は銀,六品以下銅とされたが,奈良時代の〈衣服令〉では,これにならって位袋(いたい)が定められた。位袋は色および腰につるす緒の色の組合せによって位階を区別するもので,袋の中に宮中出入りの門鑑に用いる魚形の金属板が入れてあった。…

【ひも(紐)】より

…律令政治においては冠位の制を確立するために紐が大きな役割を果たした。礼冠の紐,位袋(いたい)(親王・諸王および初位以上の諸臣の朝服に着けた袋のことで,袋の色,紐の色およびその結び方によって位階が表された)が階級識別のために用いられた。この時代には渡来品だけでは足りず,やがて国内でも中央組織の中に渡来人を長にして紐づくりの組織(中務(なかつかさ)省縫殿(ぬいどの)寮)が設けられた。…

※「位袋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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