低誘電率膜(読み)テイユウデンリツマク

化学辞典 第2版 「低誘電率膜」の解説

低誘電率膜
テイユウデンリツマク
low-k film

LSIでおもに用いられてきたSiO2の比誘電率3.9に比べて,より低い比誘電率の膜.LSIが高機能化,高速化を進めていくうちに,設計の複雑さを避けるために配線が何層にも及ぶようになってきている.このため,トランジスター自体のもつ容量に比べて寄生容量とよばれる配線部分で構成される容量が大きくなり,配線の金属抵抗とこの容量での回路の動作スピードが制限されるようになってきた.実際に用いられている膜では,SiOF膜やSiOC膜,アモルファスカーボン膜,ポーラスSiO2膜など,分極成分を減らしたり膜密度を下げる構造を用いて低い比誘電率を実現している.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android