住み替え支援(読み)すみかえしえん

知恵蔵 「住み替え支援」の解説

住み替え支援

高齢期を迎えて、バリアフリー化していない住宅の機能に不満を感じて集合住宅に引っ越したり、介護支援を求めて、施設に入所するなど、高齢者が所有する住宅の空き家化が増加してきている。地方都市では、中古の住宅の流通市場がほとんど機能していないため、十分利用できる住宅が空き家化し、放置されるケースが目立ってきている。こうした高齢者の住宅を借り受け、郊外での子育てを希望しているファミリー世帯(夫婦と子どもで構成された世帯)に転貸したり、住み替え先になる賃貸住宅等に関する情報を提供するなど、高齢者の住み替えを支援する自治体、NPO等が活動を始めている。UIJターン、田舎暮らし、二地域居住など多様なニーズへの対応を目的に、空き家情報等を提供して、移住や住み替えを支援する、という両面からの支援活動が実施されている。増大する空き家を含めて、住宅ストックの有効活用等の観点からも、こうした住み替えや移住支援は、重要な役割を担うことになると思われる。

(平井允 まちづくりプランナー / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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