佐竹騒動(読み)さたけそうどう

改訂新版 世界大百科事典 「佐竹騒動」の意味・わかりやすい解説

佐竹騒動 (さたけそうどう)

1755-57年(宝暦5-7)ごろに秋田藩主佐竹氏の世嗣問題と銀札(藩札一種)の発行問題がからんで生じた事件。これを題材とした読本に《秋田杉直(なおし)物語》《秋田治乱記》がある。5代藩主義峰(よしみね)(1690-1749)は分家の壱岐守家から宗家に入ったが,子に恵まれず分家の式部少輔家の義堅(よしかた)を養子にした。しかし義堅が死去したので義堅の子義真(よしまさ)(1732-53)を養子にした。ところが1749年(寛延2)6代藩主を継いだ義真は22歳の若さで急死した。そのため壱岐守家の義明(よしはる)(1723-58)を急きょ後嗣とし,7代藩主に立てた。義明は藩の財政難を解消するため銀札を発行し,藩内の売買は銀札,他藩との交易には正銀を保証する制度をとった。55年から実施したが,銀札の乱発と凶作が重なって物価が高騰した。57年江戸から帰藩した義明は銀札発行の失敗をみて,銀札を廃止するとともに関係者を処断した。関係者は義明支持者が多かった。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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