作り立てる(読み)ツクリタテル

デジタル大辞泉 「作り立てる」の意味・読み・例文・類語

つくり‐た・てる【作り立てる】

[動タ下一][文]つくりた・つ[タ下二]
化粧服装が際立つようによそおう。かざりたてる。「頭のてっぺんから足の先まで、新品で―・てる」
つくりあげる。こしらえあげる。また、新たに作る。
「この大将ぬしの、おほきなる所によき屋を―・てて」〈宇津保藤原の君〉

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精選版 日本国語大辞典 「作り立てる」の意味・読み・例文・類語

つくり‐た・てる【作立・造建】

  1. 〘 他動詞 タ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]つくりた・つ 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙
  2. 作りあげる。こしらえあげる。建造する。また、あらたに作る。
    1. [初出の実例]「官家を、那津(なのつ)の口(ほとり)修造(作立(ツクリタテ))よ」(出典:日本書紀(720)宣化元年五月(寛文版訓))
  3. かざって作る。かざりたてる。さかんによそおう。よそおいをこらす。
    1. [初出の実例]「かぎりありて、山・水のゆたかなる心ばへを、え見せつくさぬものなれば、ただ、筆の飾、人の心につくりたてられて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)絵合)
    2. 「せいぜいをつくして作りたつる、弓のながさは八尺五寸」(出典:幸若・大臣(室町末‐近世初))
  4. よそおいを変える。姿形を変える。変装する。
    1. [初出の実例]「其の中に年長せるを先達(せんたち)に作り立て、田舎山伏の熊野参詣する体にぞ見せたりける」(出典:太平記(14C後)五)

作り立てるの補助注記

近世には「滑・浮世風呂‐二」の「髪頭ばかり作り立(タッ)て」など、四段活用のような形も見られる。

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