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熊野 くまの

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

熊野
くまの

紀伊半島南部,牟婁 (むろ) 地方の総称。古くは,熊野国といい,大化改新の際,紀伊国に属した。現在,和歌山,三重両県にまたがり,大塔山脈を境に,東を奥熊野,西は口熊野という。熊野本宮,新宮,那智の3社,いわゆる熊野三山は,元来,険路が多く,京都との関係が疎遠で,経済的に弱体であったが,これを補うため積極的な宣伝活動を始め,御師先達 (おしせんだつ) 制度などで,古代末期,院や貴族の参詣を得ることに成功し,中世には多数の武士を招き,「熊野詣で」といって,全国の代表的な参詣地となった。

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熊野
くまの

最上型重巡洋艦」のページをご覧ください。

熊野
ゆや

(1) 能の曲名。「遊屋」「湯谷」とも書く。三番目物。作者未詳。平宗盛は遠江 (とおとうみ) の国池田の宿の長者熊野を都にとどめて寵愛する。母が病気のため熊野はいとまを請うが許されず,花見に連れ出される。

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デジタル大辞泉の解説

くまの【熊野】

和歌山県の東牟婁(ひがしむろ)・西牟婁両郡および三重県の南牟婁・北牟婁両郡一帯の称。森林が多く、製材業が盛ん。古来、熊野三山信仰の地。
三重県南部の市。熊野灘に面する。中心の木本(きのもと)は製材業・漁業が盛ん。景勝地「鬼ヶ城」がある。平成17年(2005)11月、紀和町と合併。人口2.0万(2010)。

ゆや【熊野/湯谷】

謡曲。三番目物平宗盛の愛人熊野は、東国にいる重病の母を見舞うために帰国を願うが許されず、花見の供を命ぜられる。花見の宴で、母を案じる熊野の歌をきいた宗盛は哀れを感じて帰国を許す。
箏曲(そうきょく)。山田流。山田検校作曲。歌詞はの後半からとったもの。

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百科事典マイペディアの解説

熊野【くまの】

紀伊山脈中の山地帯と熊野灘沿岸地域。三重県北牟婁(むろ)・南牟婁郡と尾鷲(おわせ)・熊野2市,和歌山県東牟婁・西牟婁郡と新宮市にわたり,かつての紀伊国南部に当たる。
→関連項目天王寺普陀落山山伏渡辺津

熊野【ゆや】

能の曲目。鬘(かっら)物五流現行。湯谷とも書く。作者不明。故郷にいる病母への思いをいだきながら平宗盛の花見の宴に連なる美女熊野の心を描く。清水(きよみず)寺への牛車の景,哀愁を秘めた花下の舞,帰国を許されての喜びなど,場面の変化も美しく,古来《松風》と並ぶ人気曲である。

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世界大百科事典 第2版の解説

くまの【熊野】

紀伊半島南部一帯をいい,現在の和歌山,三重,奈良の3県にまたがる。紀伊国牟婁(むろ)郡(明治初年に東西南北の4郡に分割)がほとんどであるが,大和国吉野郡南部を含めることもあった。クマノとは霊魂の籠(こも)る地との意味があるらしく,早く《日本書紀》神代巻に,伊弉冉(いざなみ)尊が火神を生むとき灼(や)かれて死んだので,紀伊国の熊野に葬ったとある。やがてこの地に熊野三山と称される霊場が開かれると,神秘的な伝承が数多く発生し,死者の霊は遠隔の地からもこの熊野へ行くものだとか,熊野へ行けば死者の霊に会えるとかの信仰を生んだ(熊野信仰)。

ゆや【熊野】

平家物語》巻十〈海道下〉に登場する遠江池田の宿(しゆく)の遊女の長の名。平重衡(しげひら)が捕らえられて関東に下る途中この宿に泊まり,その長の娘の侍従という女から歌を贈られるが,その女は,兄宗盛に召されたことのある海道一の歌人であった。これを原拠とし,その女の名を熊野とした能,およびこれに基づく近世邦楽がある。(1)能 喜多流は〈湯谷〉と書く。三番目物鬘物かつらもの)。作者不明。シテは熊野。遠江池田の宿の長の熊野は,平宗盛(ワキ)の側に仕えて,久しく都住いだった。

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大辞林 第三版の解説

くまの【熊野】

紀伊半島南部、熊野灘沿岸の地域。狭義には熊野川流域の熊野三山を中心とする地域。
三重県南部、熊野灘に面する市。木材の集散地。那智黒なちぐろを特産。
広島県南西部、安芸あき郡の町。広島市と呉市との間に位置。熊野筆を特産。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔地域名〕熊野(くまの)


和歌山県南東部から三重県南部にかけての地域名。
熊野三山(国指定史跡)があり、霊地として古来より熊野参詣が盛ん。熊野参詣道は国の史跡に指定。いずれも紀伊山地の霊場と参詣道として2004年(平成16)にユネスコ世界遺産に登録されている。

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世界大百科事典内の熊野の言及

【紀伊国】より

…古来,良材を産し,素戔嗚尊(すさのおのみこと)の子五十猛命(いたけるのみこと)が韓(から)より木種をもたらしこの国に播種したという《日本書紀》一書の所伝や,宮殿造営のための採材の忌部(いんべ)が住んだという《古語拾遺》の説は,木国の名の由来を物語るものである。その他記紀の伝える日前神の創祀神話,神武天皇の名草戸畔・丹敷戸畔の討伐や熊野上陸に関する説話などは,この国と大和政権との古い関係をうかがわせる。国造は紀伊・熊野の両国造があり,それぞれ紀直氏,熊野直氏を任じた。…

【熊野信仰】より

…和歌山県の熊野山(熊野三山,熊野三所と呼ぶことが多い)を中心とした民俗的信仰。熊野地方は近畿の南端に突出した山岳地帯であるが,ふもとには大河がうねって流れ,しかも洋々たる大海を見渡すことのできる地である。…

【権現】より

…蔵王は密教の仏尊だが当時すでに日本の山岳信仰と習合し神祇化されていたのである。院政期,上皇はじめ公家貴族の参詣で脚光をあびた熊野は早玉宮・結宮を合して両所権現,家津御子を入れて熊野三所権現と称し,眷属神である五所王子・四所宮を合して十二所権現とも呼んだ。加賀白山では奈良朝初め泰澄により霊場が開かれ,その主神を白山妙理権現と称し,伊豆箱根では同じころ僧満願が僧形・俗形・女形の神体を感得して三所権現と称し社にまつり走湯権現ともいわれ,日光山では勝道が平安朝に滝尾権現を感得し,日吉山王でも大宮・二宮・八王子・客人・十禅師・三宮・大行事等多数の祭神に一々権現号を付し,醍醐寺の鎮守清滝明神は密教の善女竜王にほかならないが,権現の名称で親しまれていた。…

【那智山】より

…和歌山県南東部,東牟婁(ひがしむろ)郡那智勝浦町にある山塊。熊野三山の一つである熊野那智大社(那智山権現)があり,那智山はこの大社の名称でもある。大雲取山(966m)を最高に,光ヶ峰(686m),妙法山(750m),烏帽子(えぼし)山(909m)などを含む那智川上流一帯の山塊で,表面はかなり浸食が進んで壮年期的な山地となり,年間降水量は3500mmを超える多雨地帯である。…

【補陀落渡海】より

…南方海上にあるという観音の浄土,補陀落世界へ往生しようとする信仰により,舟に乗って熊野那智山や四国足摺岬,室戸岬などから出帆すること。信仰のためとはいいながら,実在かどうか定かでない補陀落(インド南部にあると伝えられるPotalakaの音訳)に向かって決死の船出をするふしぎな宗教現象なので,古来なぞとされている。…

【米良氏】より

…熊野那智山の神職社僧として栄えた豪族で,代々那智実報院(実方院)を本拠とした。その祖は藤原実方中将といわれ,その子,僧泰救以来の熊野別当家の一門に属し,法橋範永を氏の祖とする。…

【池内友次郎】より

…パリ音楽院でフランスの伝統的な作曲法を身につけた池内は,ダンディやビュッセルの多くの音楽理論書を翻訳して日本に紹介するとともに,東京芸術大学音楽学部長時代には,同大学における和声学のカリキュラムを体系化し,またフランスのソルフェージュの教育法もカリキュラムに定着させた。代表作にソプラノと小オーケストラのための《熊野(ゆや)》(1942),《恋の重荷》(1974)がある。【船山 隆】。…

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