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先達 せんだつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

先達
せんだつ

修験道で,登山する際に行者の先頭に立って道案内をしたり,修行作法を指導したりする長老格の山伏をいう。

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デジタル大辞泉の解説

せん‐だち【先達】

せんだつ(先達)

せん‐だつ【先達】

他の人より先にその分野に進み、業績・経験を積んで他を導くこと。また、その人。先輩。せんだち。「先達に学ぶ」
山伏や一般の信者が修行のために山に入る際の指導者。せんだち。
道などを案内すること。案内人。また、指導者。せんだち。「登山の先達をつとめる」
「少しの事にも―はあらまほしき事なり」〈徒然・五二〉

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百科事典マイペディアの解説

先達【せんだつ】

一般には技芸・修業などの先輩をいい,また諸山の参詣者の道案内者をさす。平安末期から盛んになった熊野先達が知られ,修験道(しゅげんどう)での峰入りの場合,信者(道者(どうじゃ))の道中,山中を案内し,潔斎・礼拝の作法などを教える教師格の山伏
→関連項目御師月山神社熊野信仰

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世界大百科事典 第2版の解説

せんだつ【先達】

本来は,学問・技芸・修行などの先輩をさし,また諸山参詣者の宗教的指導者すなわち道案内者の意味である。平安末期以来盛んになった熊野参詣者の安全を確保し,導く際の儀式を行う熊野先達には,熊野で修行を積んだ修験者(山伏)があたった。先達をすることで参詣者すなわち檀那から礼銭が与えられたことから,やがて修験者は先達をする檀那を収入源とみなし,先達をする権利が一種の株となっていった。やがて先達の権利を集中した修験者は,支配下に多くの修験者をかかえる本寺の性格をもって,江戸時代には修験道組織(本山派,当山派など)のリーダーとして存在した。

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大辞林 第三版の解説

せんだち【先達】

せんだつ【先達】

〔「せんだち」とも〕
その方面で立派な仕事をして、後輩を導く人。先輩。先学。 「理論物理学の-」
修験道で、山に入って修行を行う際に指導する者。
先に立って導いていく人。案内者。指導者。 「すこしのことにも-はあらまほしき事なり/徒然 52

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

先達
せんだつ

学問や技芸で先に達した人をいうが、とくに修験道で用いられた。修験者(山伏)のなかで峰中(ぶちゅう)の行路や秘所に精通し、儀礼の指導者となれる人を峰先達(みねせんだつ)といったが、そうした修験者はまた霊験所(れいげんしょ)へ参る道にも明るかったので、人々を引導する道先達(みちせんだつ)という職掌が生れた。
 平安末期から皇室、貴族が盛んに熊野詣した背景には道先達の活動があった。熊野詣は中世に庶民化するが、諸国在住の修験者が参詣道者(どうじゃ)の先達を務め、熊野御師(おし)に引き渡す団参制度が確立した。熊野三山検校(けんぎょう)になった京都の聖護院(しょうごいん)門跡(もんぜき)は、南北朝頃より諸国修験に対して先達職(せんだつしき)を認可し、本山方(ほんざんがた)修験教団(本山派)を形成する。当山方(とうざんがた)(当山派)は、近畿地方の山岳寺院の修験僧が大峯正(おおみねしょう)大先達仲間を組織し、それぞれ諸国の袈裟下(けさした)修験を支配した。羽黒山(はぐろさん)、英彦山(ひこさん)その他の修験教団でも独自の先達制度をもった。それぞれの組織内で峰先達に対し峰中修行の度数に応じて幾多の位階を設けていた。[鈴木昭英]
『新城常三著『新稿社寺参詣の社会経済史的研究』(1982・塙書房) ▽宮家準著『山伏―その行動と組織』(1973・評論社) ▽鈴木昭英著「熊野御師と熊野先達と熊野三山検校―修験道本山派の形成に関連して」(『山岳修験 6』・日本山岳修験学会)』

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世界大百科事典内の先達の言及

【熊野信仰】より

…道者は,三山のいずれかの坊を守る験者に願文を捧げて師匠・檀那の契約を結ぶ。のちには,道者群を同族単位または地域単位に組織して,参詣,祈禱の斡旋をする仲介者としての先達(せんだつ)が発生した。こんにち広く全国の山岳宗教にみられる〈御師・先達〉の制度は,実に熊野三山が先鞭をつけたものであり,こうした風が,全国的な熊野権現社の各地への勧請(かんじよう)の盛行とともに,全国に熊野信仰を鼓吹することとなったのである。…

【旅行業】より

…旅行者と旅館・ホテルなどの宿泊施設,鉄道・航空会社などの運輸機関との間にあって,旅行者に対し予約,手配,斡旋などのサービスを提供し,その報酬を得る事業。 日本における旅行業の先駆者は平安末期ころから活躍したという熊野(和歌山県)の先達(せんだつ)である。彼らは熊野で修行を重ねた山伏で,里へ戻って加持祈禱を行いながら,熊野参詣の道案内を務めた。…

※「先達」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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