改訂新版 世界大百科事典 「保健センター」の意味・わかりやすい解説
保健センター (ほけんセンター)
対人保健サービスを総合的に行うことを目的として,市町村ごとに設置される施設。従来,保健所が公衆衛生活動を担う地域の機関として重要な役割を果たしてきたが,対人保健サービス分野での保健需要が多様化,高度化してきたことから,これに弾力的に対応するためとして,厚生省は1978年度から10ヵ年計画で全国の市町村に保健センターを設置することとした。94年に保健所法が地域保健法に発展させられてからは,保険センターは法定化された。保健センターは,市町村長を設置主体として,住民の健康づくりを推進するため地域住民に密着した健康相談,健康教育,健康診断などの対人保健サービスを総合的に行う拠点であると同時に,地域住民の自主的な保健活動の場であり利用施設であるとされている。また建設費用は一施設当り9000万円を国が補助することとし,健康相談・保健指導室,機能訓練室,栄養指導・実習室,運動指導室,健康診断検診室,集会・会議室,資料展示室,待合室などのほか管理事務室などが置かれることとなっている。1995年3月末で全国に1333ヵ所がつくられている。
執筆者:溝口 勲
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報