改訂新版 世界大百科事典 「修養団」の意味・わかりやすい解説
修養団 (しゅうようだん)
1906年,東京師範学校学生の蓮沼門三(1882-1980)によって創設された教化団体。天皇制の賛美と社会協調,勤倹努力を説き,〈流汗鍛錬,同胞相愛〉がスローガンであった。第1次大戦後,キャンプ講習会などにより地域青年運動と結合,勢力を伸ばした。渋沢栄一などの財界名士や青年団運動の田沢義鋪,司法界の大立者平沼騏一郎などの庇護と支持を得,昭和期に入ってからは内務・文部両省の外郭団体となった。さらに官業・民間の工場・鉱山に支部を設け,労資協調を説く教化事業や国民精神総動員運動に力を注ぎ,敗戦時には1700支部,620万の団員を擁したといわれる。敗戦後も解散を免れ,ふたたび活動を始めている。機関紙《向上》を刊行。
執筆者:永井 和
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報