外郭団体(読み)ガイカクダンタイ

デジタル大辞泉 「外郭団体」の意味・読み・例文・類語

がいかく‐だんたい〔グワイクワク‐〕【外郭団体】

官庁などの組織の外部にあって、これと連携し、その活動や事業を支援する団体。

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精選版 日本国語大辞典 「外郭団体」の意味・読み・例文・類語

がいかく‐だんたいグヮイクヮク‥【外郭団体】

  1. 〘 名詞 〙 政党、官庁、公共団体などの組織の外にあって、それらの組織の仕事の一部を代行し、または支援する団体。官庁などから財政上の保障を得ているものが多い。

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改訂新版 世界大百科事典 「外郭団体」の意味・わかりやすい解説

外郭団体 (がいかくだんたい)

一般的には,母体となりまたは中核となる団体の周辺に位置して,その機能を補強,補完し,実質的に一体となりまたは連携して一定役割を果たす関係団体組織をいう。国(各省庁),地方公共団体都道府県,市等)のほか,政党,宗教団体,巨大職能団体等もその周辺組織として外郭団体をもつことが多い。

 母体となり,または中核となる団体と外郭団体との間には,業務上の関連性の度合い等に応じて財務面および人事面でも濃密な関係を生ずることが多い。母体となる団体から外郭団体に幹部職員や専門家等の要員を出向の形式で派遣することはしばしば行われているが,こうしたいわゆる天下り人事も過度に行われると受入れ側の組織体の人事運営上志気を阻害する等の弊害を生ずることになる。

 国の各省庁に例をとると,法律上または運営上,その委任,委託を受け,また必要に応じ財政上の助成を受けつつその機能の一部分を実質的に代行し,または,その許認可を得て特定の分野における公共的ないし公益的機能を担当する団体は少なくない。その態様には種々のものがあるが,おもなものを例示すれば,(1)特別な根拠法をもち,国の強制設立にかかるいわゆる特殊法人--日本道路公団等の公団,雇用促進事業団等の事業団,国民金融公庫等の公庫,日本原子力研究所等の研究所,農業者年金基金等の基金,電源開発株式会社等の特殊会社など。(2)特別な根拠法をもち,国の認可を受けて限定数設立されるいわゆる認可法人--例えば,農業信用保険協会,製品安全協会,貿易研修センター,軽自動車検査協会,郵便貯金振興会など。(3)特別な事業法や規制法に基づき,一定の要件の下に認可され,または指定されるいわゆる準則法人や指定法人で国との関係の密接なもの--例えば,各種の社会福祉法人,各種の指定検査法人,広域臨海環境整備センターなど。(4)民法34条の許可を得て設立される公益法人財団法人または社団法人)であって,事業に対する国庫補助その他業務上の関係等から,国との関係の密接なもの--例えば,財団法人青少年育成国民会議,財団法人日本武道館,財団法人日本気象協会など。

 また,地方公共団体の外郭団体としては,各種の財団法人,社団法人のほか,社会福祉法人や土地改良区等の公共組合の形をとるもの,住宅供給公社等のいわゆる地方三公社や,地域開発等のための第三セクターなどもある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「外郭団体」の意味・わかりやすい解説

外郭団体
がいかくだんたい

国(各省庁等)、地方公共団体(都道府県、市等)、政党などの組織とは別個の組織ではあるが、その活動や事業を補完するなど、連携して一定の役割を果たす組織の総称。国や地方公共団体とその外郭団体は、財政(官庁からの出資等)・人事・活動面等で緊密な関係を有する。その存在形態は、独立行政法人(文部科学省の外郭団体としての日本学術振興会等)、特殊法人(農林水産省のそれとしての日本中央競馬会等)、特別法人(地方住宅供給公社等)など多様である。外郭団体の幹部には、関連官庁の公務員(現役・退職後)が就任することが多く、いわゆる「天下り」の問題として批判の対象となる。

[平田和一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「外郭団体」の意味・わかりやすい解説

外郭団体
がいかくだんたい

国または地方公共団体の組織の外にありながら,そこから種々の援助を受け,行政を補完するような事業や活動を行う団体をさす。理論上の概念規定は多様だが,現実には法人格の有無,団体の設立目的が公共的活動であるか否かなど,形式要件は問わない。従来外郭団体には,行政機関の代行的・補完的機能を評価する声と不祥事の温床や財政破綻の誘因と批判する声が交錯した。しかし行政に不可欠な存在として急速に増加し,活動も広範囲になった実態をふまえれば,むしろ行政活動における新たな位置づけが必要とされている。

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