倶梨迦羅(読み)くりから

日本大百科全書(ニッポニカ) 「倶梨迦羅」の意味・わかりやすい解説

倶梨迦羅
くりから

仏教語。不動明王(ふどうみょうおう)の変化身の一つである竜王の名。サンスクリット語kulikaの音訳とも、あるいはkkaraの音訳ともされる。「倶哩迦羅」「倶力迦羅」「倶哩迦」「古力迦」「矩里迦」など種々の字をあてる。この竜王の形相は、不動明王の持ち物である利剣と竜の形にした羂索(けんざく)(一端に金剛杵(こんごうしょ)の半形を、他端に鐶(かん)をつけた五色の索条)とをあわせたものであるとされ、四足があり、黒色の蛇身をして、煩悩を焼き尽くす知恵を象徴する火焔(かえん)に包まれながら、盤石(ばんじゃく)の上に立つ利剣に巻き付き、それを飲み込もうとしている形像で表される。この倶梨迦羅竜王を俗に倶梨迦羅不動と称する。この竜身呑剣(どんけん)の図柄は、わが国における不動信仰の隆盛とともに広く親しまれ、彫金細工や刀身の彫刻、いれずみなどに使用された。この図柄のいれずみ模様を「倶梨迦羅紋々(もんもん)」といい、また、きりきり回りながら落ちることを「倶梨迦羅落とし」という。

[藤井教公]

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