羂索(読み)ケンサク

デジタル大辞泉 「羂索」の意味・読み・例文・類語

けん‐さく【×羂索】

《「羂」はわなの意で、もと鳥獣をとらえるわなのこと》5色の糸をより合わせ、一端に環、他端独鈷杵とっこしょの半形をつけた縄状のもの。衆生救済の象徴とされ、不動明王千手観音・不空羂索観音などがこれを持つ。

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精選版 日本国語大辞典 「羂索」の意味・読み・例文・類語

けん‐さく【羂索】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「羂」は「わな」の意 ) 鳥獣を捕えるわな。
  3. 仏語。
    1. (イ) 仏菩薩の、衆生を救い取る働きを象徴するもの。色糸を撚(よ)り合わせた索の一端に鐶、他の一端に独鈷(どっこ)の半形をつけたもので、密教で用いる。不動明王、不空羂索観音、千手観音などがこれを持つ。けんじゃく。
      1. 羂索<b>②</b><b>(イ)</b>〈不動明王 和歌山県 正智院蔵〉
        羂索(イ)〈不動明王 和歌山県 正智院蔵〉
      2. [初出の実例]「明王のけむさくはばむ里か外のてきをうち」(出典:幸若・つるき讚談(室町末‐近世初))
      3. [その他の文献]〔大日経疏‐五〕
    2. (ロ)凡人が)煩悩にしばられて動けなくなっている状態。
  4. けんさく(検索)
    1. [初出の実例]「去文治元年。為索叛逆衆。被軍士於諸国之時」(出典吾妻鏡‐建久五年(1194)一二月一〇日)

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普及版 字通 「羂索」の読み・字形・画数・意味

【羂索】けんさく

ぶらんこ。

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