日本歴史地名大系 「備中国新御絵図」の解説
備中国新御絵図(元禄備中国絵図)
びつちゆうのくにしんおんえず
二六五×三六七センチ
成立 元禄一四年
原図 池田家文庫
解説 肉筆彩色画、桐箱入り。元禄一〇―一五年の幕府による元禄国絵図改定事業により同一四年献上された新国絵図の控。備中の絵図元(国絵図献上者)は松山藩主安藤長門守と足守藩主木下肥後守、清書は幕府御用絵師狩野良信の請負。絵図紙は幕府指定により硬質の越前間似合紙を丈夫な美濃紙で裏打ちしたもの。縮尺は正保国絵図以来六寸一里(二万一千六〇〇分の一)。図式の特徴は、村形小判形、郡別色分け、村高は石余まで、郡付は郡枠なしの郡名と郡高(勺まで)、郡境は黒線。道筋は朱線で幹道・脇道の区別があり、一里山は黒丸点を対置、領分の記載はない。余白に「備中国高都合并郡邑分目録」を載せ、郡別の色分け・石高・村数、一国総計、絵図献上者、献上年月を記す。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報