日本歴史地名大系 「備前国九郡絵図」の解説
備前国九郡絵図(寛永備前国絵図)
びぜんのくにきゆうぐんえず
一八八×一九三センチ
原図 池田家文庫
解説 原色鮮やかな肉筆彩色画。成立については、寛永一五年五月幕府大目付井上政重の命により岡山藩が作製した国絵図の控図であるという考証がある。縮尺は道筋約四寸一里(三万二千四〇〇分の一)。図式の特徴は、村形は小判形、村形内に村名・村高(朱印高は升まで)を記入、郡区分は郡界線金泥色、村形を色分け、平地部分も郡別に塗分ける。郡付は短冊形の枠に郡名・石高・村数を記す。城は岡山城を景観描写し、その他は金薄色で城跡山を塗り古城と記す。山は緑、海と川は紺青色、道筋は朱線の太細で街道と脇道を区別、一里山は黒丸点を対置する。海上航路朱線。里程(道路・船路)、渡河方法、橋の長さ、川幅、峠坂難所の注記がある。余白には「備前国九郡絵図 知行高都合弐拾八万弐百石」とあり、色分けの凡例を記す。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報