債務の証券化(読み)さいむのしょうけんか(その他表記)debt equity swap; DES,debt bond swap; DBS

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「債務の証券化」の意味・わかりやすい解説

債務の証券化
さいむのしょうけんか
debt equity swap; DES,debt bond swap; DBS

債務の株式化・債券化の総称。債務の株式化とは,債権国の銀行が途上国向けの融資額面の3~5割引の価額で債務国に現地投資する企業に売却し,それを買取った企業は債務国の中央銀行に額面で売却して現地通貨を有利に調達し,直接投資に振向ける (株式化する) ことをいう。これにより債務国は債務を軽減することができ,一方債権者である銀行は債権を回収することができ,直接投資を行う企業にとっても割安の資金調達が行える。 1985年にチリが始めたのが最初で,その後メキシコフィリピンアルゼンチンベネズエラでも行われている。債務の債券化とは,債務国の中央銀行がアメリカの財務省証券担保にして債務を割安の担保付債券の形に転換し,債権者である銀行が第三者に転売することを通じて債務国負担の軽減をはかることをいう。この場合も債権者である銀行は割安な価格で債券を売却することになるが,一部債権の回収を通じて財務体質を改善でき,債券購入者にとっても確実な担保でしかも高利回りの投資が行えるメリットがある。

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