最新 地学事典 「傾圧不安定」の解説
けいあつふあんてい
傾圧不安定
baroclinic instability
大気中で傾圧性が高まると,それを解消するように生じる不安定のこと。傾圧性は密度勾配と気圧勾配の外積で定義されるソレノイドで定量化される。密度勾配が気圧勾配と平行な大気は順圧大気と呼ばれ,ソレノイドは0となる。ソレノイドが存在する傾圧大気では,密度勾配から気圧勾配に向かう方向に循環が強化される。北半球の中緯度大気では気圧勾配は南,密度勾配は北を向くことから傾圧不安定による渦が発生し,これが温帯低気圧の成因となる。この南北混合により傾圧性(南北の温度傾度)が解消される。
執筆者:田中 博
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

