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亜熱帯高気圧帯よりも北方(南半球では南方)でみられる低気圧で,発生する領域,条件,発達に際してのエネルギー変換が台風などの熱帯低気圧と異なるので,この名称で区別されている。その大きさは日本付近では半径700~1500kmのものが最も多い。温帯低気圧の発生する領域では偏西風が高さとともに増大していて,この西風の増大率は南北の温度差に比例していく。このような流れの中では,南北の温度差が作る位置のエネルギーが運動のエネルギーに変わって,特定の大きさの低気圧が形成されることが理論上示されている。温帯低気圧は,この理論上の低気圧に対応するとすると,その大きさ,低気圧の通過する周期などがよく説明される。発達中の温帯低気圧は南下する寒気塊と北上する暖気塊で構成されていることも特色の一つである。
執筆者:斎藤 直輔
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中緯度または高緯度で発生する低気圧。周りに比べて気圧が低くなっていて、その中心に向かって風の吹き込んでいるところが低気圧である。低気圧のうち、熱帯の洋上に発生するものを熱帯低気圧という。熱帯低気圧以外のものは普通は単に低気圧とよばれるが、これをとくに熱帯低気圧と区別する必要がある場合に温帯低気圧とよぶことがある。
たとえば、熱帯低気圧が発達して台風となって北上し、やがて熱帯産としての特質を失うに至ったとき「台風第○○号は、温帯低気圧になった」というように用いる。略して温低とよぶこともある。熱帯低気圧との区別に用いる限りでは「熱帯外の低気圧」とよぶほうがより正確な用語法であり、温帯低気圧はもともとあいまいな用語といえる。熱帯低気圧が同一気団中の擾乱(じょうらん)であるのに対し、温帯低気圧は異なる気団の接する前線上の擾乱であると、通常は定義されている。なお、日射による加熱などで局地的に発生する小規模な低気圧は、その発生地が温帯であったとしても、温帯低気圧とはよんでいない。
[平塚和夫]
…今日では気象衛星を使って大気圏の外から,低気圧に伴う雲,つまり低気圧の外観をとらえることができる。 低気圧は温帯から極の間にできる温帯低気圧と熱帯地方にできる熱帯低気圧に分類されている。これは単に発生域の地理的な違いだけでなく,その構造,成因も異なるからである。…
※「温帯低気圧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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