元嘉暦(読み)ゲンカレキ

デジタル大辞泉 「元嘉暦」の意味・読み・例文・類語

げんか‐れき【元×嘉暦】

中国で、元嘉20年(443)に何承天かしょうてんによって作られた太陰太陽暦日本に伝えられた最古の暦とされ、持統天皇の代に採用されたという。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「元嘉暦」の意味・読み・例文・類語

げんか‐れき【元嘉暦】

  1. 〘 名詞 〙 中国、南朝の宋の元嘉二〇年(四四三)に何承天が作った暦。日本最古の暦として五世紀頃から用いられたが、正式には持統天皇の代に使用された。文武天皇元年(六九七)まで使用されたかは不明。
    1. [初出の実例]「兼政はぎほうれき某はけんかれきをさし上しに」(出典:浄瑠璃・暦(1685)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「元嘉暦」の意味・わかりやすい解説

元嘉暦
げんかれき
Yuan-jia-li; Yüan-chia-li

中国,南朝宋の何承天が元嘉 20 (443) 年に作成した暦法。定朔望の採用を主張したが,反対にあって実行されなかった。しかし同 22年以後梁初までの暦はこれによって計算された。日本に伝えられた最古の暦法として知られる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の元嘉暦の言及

【暦】より

…《日本書紀》には553年,欽明天皇の14年に百済(くだら)に対し暦博士や暦本を送るよう要請し,翌年2月に暦博士らの来朝が実現したとの記事があって,これが日本の文献に現れた暦の文字の初見である。このころ,百済では元嘉(げんか)暦が施行されていた。元嘉暦は(南朝の)宋で445年(元嘉22)から65年間用いられていたものであるが,百済ではその滅亡の661年まで行われていた。…

※「元嘉暦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android