太陰太陽暦(読み)たいいんたいようれき

日本大百科全書(ニッポニカ)「太陰太陽暦」の解説

太陰太陽暦
たいいんたいようれき

月の満ち欠けする周期の望(さくぼう)月で日を数え、太陽の運行による周期太陽年(回帰年)をもって季節を調節してゆく暦法。略して陰陽暦陰暦ともいう。朔望月と太陽年の端数をどのようにうまく調節してゆくか、すなわちどのように閏(うるう)月を挿入するかによって種々の太陰太陽暦法が生ずる。この法に属するおもなものとして、バビロニア暦、ギリシア暦ユダヤ暦、インド暦、中国暦(大衍(たいえん)暦)などが知られている。日本で1872年(明治5)以前まで行われてきた暦法は、中国暦またはそれに倣った中国流の太陰太陽暦で、73年から採用した太陽暦を新暦というに対して旧暦(陰暦)という。陰暦1月から12月まで次のような異称がある。睦月(むつき)(陰暦1月)、如月(きさらぎ)(同2月)、弥生(やよい)(同3月)、卯月(うづき)(同4月)、五月(さつき)(同5月)、水無月(みなづき)(同6月)、文月(ふみづき)(同7月)、葉月(はづき)(同8月)、長月(ながつき)(同9月)、神無月(かんなづき)(同10月)、霜月(しもつき)(同11月)、師走(しわす)(同12月)。

[渡辺敏夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「太陰太陽暦」の解説

太陰太陽暦
たいいんたいようれき
lunisolar calendar

月の満ち欠けのほかに,1年間の太陽の動きを考えにいれた暦。一般には太陰暦という。この暦は大の月 (30日) と小の月 (29日) とを組合せて 12ヵ月 (平年) または 13ヵ月 (閏年) を1年としたもので,平年では 354日と 355日,閏年では 383日と 384日の4種の1年が考えられる。置閏法として,初めの頃は2年に1回閏年をおいたが,のちに 19年に7回閏年をおくメトン法が採用された。月の大小の並べ方には,平朔 (朔望月の平均 29.53059日に合せていくもの) と定朔 (実際の朔に合せていくもの) とがある。平朔では月の大小は交互になるが,16ヵ月または 17ヵ月ごとに大の月が3回続く。定朔では月の運動の不等によって大の月または小の月が4回続くこともある。西洋の暦はすべて平朔であったが,中国や日本の暦は初めは平朔で,のちに定朔に変った。

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百科事典マイペディア「太陰太陽暦」の解説

太陰太陽暦【たいいんたいようれき】

陰陽暦とも。月の満ち欠けに合わせて1ヵ月間の日付を決め,数年に1回閏(うるう)月をおいて一年を13ヵ月とし,太陽の動き,つまり季節に合わせた暦。閏月のおき方に,8年3回,19年7回(メトン法,章法),76年28回(カリポス法,四分法)等種々ある。中国暦,日本の旧暦もこれに属する。
→関連項目改暦授時暦太陰暦中国暦二十四節気ローマ暦

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精選版 日本国語大辞典「太陰太陽暦」の解説

たいいんたいよう‐れき ‥タイヤウ‥【太陰太陽暦】

〘名〙 太陰のみちかけを主とし、他方太陽の運行をあわせ考えて作った暦。閏月をおいて暦のうえの一年の平均の長さを一太陽年(三六五・二四二二日)に等しくしたもの。日本の旧暦、ユダヤ暦、ギリシア暦、中国暦などがこれにあたる。陰暦。

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デジタル大辞泉「太陰太陽暦」の解説

たいいんたいよう‐れき〔タイインタイヤウ‐〕【太陰太陽暦】

太陰暦を、太陽の動き、すなわち季節にも合わせて作った暦。太陰暦の12か月は1太陽年より約11日少ないので、19年に7回の閏月(うるうづき)を置くなどして調節する。中国などの古代暦や日本の旧暦はこれに属する。陰暦。

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占い用語集「太陰太陽暦」の解説

太陰太陽暦

月の運行と太陽の運行を基本にした暦法。旧暦とも呼ぶ。太陽暦に比べて、一ヶ月が短く、一年が13ヶ月になることもあった。季節の運行などは、二十四節気などで調整して用いられていた。

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世界大百科事典 第2版「太陰太陽暦」の解説

たいいんたいようれき【太陰太陽暦 luni‐solar calendar】

暦の1ヵ月の日数朔望月(さくぼうげつ)を基礎として決められ,1年の長さはある期間について平均すれば1太陽年になるようにくふうされた暦。太陰とは空にある月のこと。1朔望月は29日半あまりで,その12ヵ月は354日にしかならず1太陽年に11日ほど及ばない。したがって3年では33日も日付と季節がずれてしまう。そこで2年か3年に一度,ある月を2ヵ月おいて1年を13ヵ月にして,季節と日付の食違いを1ヵ月以内にとどめようとするのが太陰太陽暦である。

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世界大百科事典内の太陰太陽暦の言及

【閏月】より

…太陰太陽暦では月の満ち欠けの周期で暦月を決め,その12ヵ月で1年とする。1ヵ月は平均29日半でその12倍は354日にしかならない。…

【暦】より

…そしてそのような思想は《万葉集》にも受け継がれているとし,〈ひさかたの天(あま)のかぐ山,此ゆふべ霞たなびく春たつらしも〉〈うちなびく春たちぬらし,わが門の柳のうれに鶯なきつ〉その他をあげている。さらに宣長は,日本では中国から暦法が入ってくる前は太陽暦思想があったとして,〈かの空なる月による月(朔望月のこと)と年の来経(きへ)とを,しひてひとつに合はすわざ(太陰太陽暦のこと)などもなくて,ただ天地のあるがまゝにてなむありける〉といっている。中国の3世紀のころの書である《魏志倭人伝》にはすでに日本では稲作をしていた記事があり,5世紀ころ加えられた補注には〈其俗正歳四時を知らず,但春耕秋収を記して年紀となす〉とある。…

※「太陰太陽暦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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