日本歴史地名大系 「元禄二年堺大絵図」の解説
元禄二年堺大絵図
げんろくにねんさかいおおえず
成立 元禄二年
原本 国立歴史民俗博物館・堺市博物館
解説 堺の市街図のうち現存最古かつ最も完備したもの。現在二本が伝来し、歴民博本は正本、堺市博本は副本と考えられる。二本とも大小路を境に北郷・南郷の二図からなり、ともに北郷南北五・三メートル余、東西五メートル前後、南郷南北四・三メートル前後、東西四メートル前後の文字どおり大絵図で、歴民博本は現在は一〇図に切られている。堺奉行佐久間信就の代に南北四辻惣年寄のもとで作製されたもので、縮尺は一間を二分、すなわち三二五分の一とし、歴民博本は極彩色、堺市博本は淡彩で描かれている。全市の屋敷について間口と奥行の間数を記し、所有者・所有形態を示している点が特筆され、町ごとの屋敷割と住人、同業者町などの町の性格が判明する。また元和当初における町割の規格をうかがうことができ、その後の変容を知ることができる。なお歴民博本は前田書店出版部より刊行。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報