兄人(読み)ショウト

デジタル大辞泉 「兄人」の意味・読み・例文・類語

しょうと〔せうと〕【人】

《「せひと」の音変化》
女からみて同腹の兄または弟をいう語。
「故母御息所の御―の律師りし」〈賢木
兄にあたる人。
「公世の二位の―に、良覚僧正と聞こえしは」〈徒然・四五〉

せ‐うと【人】

しょうと(兄人)

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精選版 日本国語大辞典 「兄人」の意味・読み・例文・類語

しょうとせうと【兄人】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「背人(せひと)」の変化した語 )
  2. 女からみて同腹の兄、または弟をいう語。
    1. [初出の実例]「二条の后に忍びて参りけるを、世の聞えありければ、せうとたちのまもらせ給ひけるとぞ」(出典:伊勢物語(10C前)五)
    2. 「かのせうとの童(わらは)なる、率(ゐ)ておはす」(出典源氏物語(1001‐14頃)手習)
  3. 女からみて姉または妹をいう語。
    1. [初出の実例]「京極中納言の御むすめ、〈略〉民部卿の典侍(すけ)のせうとにてぞおはしける」(出典:十六夜日記(1279‐82頃))
  4. 平安末期以降、男の兄弟。兄または弟をいう語。後にはもっぱら兄をさす。
    1. [初出の実例]「公世の二位のせうとに、良覚僧正と聞えしは」(出典:徒然草(1331頃)四五)

せ‐うと【兄人】

  1. 〘 名詞 〙しょうと(兄人)

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