先天性白皮症(読み)せんてんせいはくひしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「先天性白皮症」の意味・わかりやすい解説

先天性白皮症
せんてんせいはくひしょう

皮膚、毛、目にみられる先天性の完全または部分的な色素欠損状態。アルビノ。次の三型に分類される。(1)眼皮膚型白皮症 皮膚は乾燥し、白色ないし桃白色を呈し、毛は白毛で、毳毛(ぜいもう)(うぶ毛)が多い。メラニン欠如のために日焼けをしやすく、日光暴露部では老人性角化腫(しゅ)、皮角、基底細胞上皮腫、有棘(ゆうきょく)細胞癌(がん)を生じやすい。虹彩(こうさい)、脈絡膜淡青色から褐色を呈し、眼底は淡紅色で、ひどくまぶしがり、眼振、視力低下をきたす。常染色体潜性遺伝で、ほかに肉体的精神的異常を伴うことがある。(2)眼型白皮症 目の変化が主体となり、皮膚はほとんど正常である。伴性潜性遺伝である。(3)限局性白皮症 常染色体顕性遺伝で、前頭前額部および躯幹(くかん)、四肢に白斑(はくはん)が散在し、斑(まだら)症ともよばれる。

[染谷 通]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「先天性白皮症」の意味・わかりやすい解説

先天性白皮症
せんてんせいはくひしょう
albinism

俗に白子 (しらこ) という。3つの病型に分けられる。 (1) 眼皮膚型白皮症 常染色体性劣性遺伝疾患で,生下時より皮膚,毛,紅彩,脈絡膜のメラニン色素がきわめて乏しく,そのため日光に過敏で日焼けが著しく,羞明,視力低下などを伴う。表皮基底層のメラノサイトの数は健常人と同一であるが,メラニン形成能力が極度に低い。 (2) 眼型白皮症 眼にのみ生じる白皮症。伴性劣性遺伝疾患。 (3) 限局性白皮症 まだら症。前額から前頭部に三角形の白斑,膝関節部その他にも白斑が散在する。常染色体性優性遺伝疾患。

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