翻訳|facula
望遠鏡を太陽に向け,白い紙の上に太陽の像を拡大して投影して見ると,太陽の縁近くに白く光った斑点が見えることがある。これが白斑である。とくに黒点が太陽の縁近くにあればその周囲には必ず白斑がある。しかし,太陽面の真ん中では見えない。地上の大気のゆらぎの少ないときに観測すると,白斑は差渡し200kmから700kmの小さな点の集合からなっていることがわかる。個々の小さな点の寿命は10~20分である。明るさは,0.5μmの波長の光で測定した場合に周囲の明るさに比べて1.3倍ほど明るい。温度でいうと周囲の約6000Kの温度に比べて200Kから600K高いものを見ていることになる。白斑には強い磁場が観測されており,その強さは数百から2000ガウスもある。白斑は目で見える光球層の浅いところに起こっている現象であるが,光球層の上の彩層でも明るい斑点として見え,彩層白斑と呼ばれている。白斑も彩層白斑も小さい粒状のものが集まって網状になって存在している。この網状の構造は超粒状斑と呼ばれ,寿命は約1日である。二つとも磁場に起因した現象に違いないのであるが,なにゆえに明るいかはまだ解明されていない。
執筆者:平山 淳
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
メラニン色素の異常によって皮膚に色素脱失を生じ、白くみえる状態(斑)のことで、色素脱失の程度により完全脱色素斑と不完全脱色素斑がある。一般に先天性白斑と後天性白斑に分けられる。先天性白斑には、脱色素性母斑、遺伝性対側性色素異常症、限局性白皮症などがあり、後天性白斑には、尋常性白斑、老人性白斑、光線過敏症をおこす薬剤使用による白斑、せっけんや化粧品などに含まれる化学物質による白斑、湿疹(しっしん)や皮膚炎の治療後に生じる白斑などがある。
なお、先天性白皮症は全身性または汎発(はんぱつ)性白皮症ともよばれ、これが部分的にみられるものが限局性白皮症である。
[染谷 通]
太陽面の縁近くに見られる白い斑点。その周囲より数百ガウスの強い磁力線が白斑の部分を貫いている。白斑は周りの光球面よりくぼんでいてその壁が明るい。したがって、斜めに見ると、明るさが目だつ。太陽縁で明るいのはそのためである。黒点近傍に見られるが、太陽活動の極小期には極域にも見られ、極白斑とよばれている。
[日江井榮二郎]
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出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
…いずれも黄斑中心窩直下で出血が起こると強い視力障害が起こる。
[網膜の混濁]
出血と並んで網膜のおもな病変は,透明性の障害,すなわち滲出物や混濁であり,白斑exudateともいう。白斑は軟性白斑と硬性白斑に区別される。…
※「白斑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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