日焼け(読み)ヒヤケ

  • (皮膚の病気)
  • Sunburn
  • 日焼け sunburn
  • 日焼け/▽陽焼け

デジタル大辞泉の解説

[名](スル)
強い日ざしを受けて肌が黒みを帯びたり、炎症を起こしたりすること。「―した顔」 夏》「タイピスト倦めり―の腕長く/草城
日光を受けて変色すること。「―した壁紙」
日照りで、池・田・川などの水がなくなったり草木・作物が枯れたりすること。

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百科事典マイペディアの解説

日光皮膚炎とも。日光に含まれる紫外線の作用による皮膚の炎症(一種のやけど)。強い日光の照射を受けた皮膚に潮紅,浮腫性の腫脹(しゅちょう),水疱(すいほう)などを生じるもので,灼熱感や疼痛(とうつう)を伴い,後に色素沈着を残す。炎症症状にはホウ酸軟膏や副腎皮質ホルモン剤塗布等,色素沈着にはビタミンC服用等が行われる。日焼止めには硫酸キニーネ,二硫化チタン,p‐アミノ安息香酸等の紫外線防護剤をクリームなどとして用いる。
→関連項目メラニン

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岩石学辞典の解説

風化作用の特殊な型で,残留ガラスに富んでいる珪酸の乏しい玄武岩に見られる.この作用には三つの時期がある.(a) 直径2~3mmの灰色斑点の形成,(b) 斑点からの放射状の細い線状の割れ目の形成,(c) 岩石の崩壊.この作用は玄武岩の残留ガラスの水和作用によるものである[Hibsch : 1920, Hoppe : 1935].

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世界大百科事典 第2版の解説

日光の中の紫外線の刺激によって皮膚が赤くなり,その後に色素沈着が起こった状態。太陽からの紫外線のうち290nm以下の波長の紫外線はオゾン層で遮断されるので,それ以上の波長の紫外線が地上に達する。日焼け炎症反応を起こすのは,このうち波長290~320nmの中波長紫外線である。体に当たった紫外線の大部分表皮で吸収されるが,約10%が表皮の下の真皮に達するといわれている。紫外線が深部に達するのを保護する作用としては,表皮角層の反射作用,表皮内の散乱作用があるが,最も重要なのは表皮基底層に存在するメラニン色素による吸収作用で,これにより光線が深部に入るのを防いでいる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

医学的には日光皮膚炎をさす。これには熱傷(やけど)に相当する皮膚変化がみられる狭義の日焼けと、皮膚の褐色化をもたらす色素増強suntanが含まれる。また、広義の日光皮膚炎には光線過敏症によるものも含まれる。日光に含まれる紫外線のうち、日焼けをおこすのは波長が320ナノメートル以下であり、色素増強をもたらすのは波長が300~400ナノメートルといわれる。紫外線のうち波長が290ナノメートル以下の短波長のものは、オゾン層に吸収されるほか、空気中で散乱されたりして地上に達するものはほとんどない。また、普通の窓ガラスはおよそ315ナノメートル以下の波長をもつ紫外線を吸収して通過させないので、窓ガラス越しの太陽光では日焼けをおこさず色が黒くなるわけである。なお、水面や砂、雪などからの反射光線も日焼けをおこし、とくに雪によるものは雪焼けとよばれている。
 通常、照射後2~6時間の潜伏期を経て皮膚は赤くなり紅斑(こうはん)を生ずる。潜伏期間は、日光に対する皮膚の暴露時間および光線の強さによる。また、メラニンには紫外線を吸収する作用があり、表皮にこのメラニン色素が少ない白色人種は、有色人種に比べて日焼けをおこしやすい。
 症状としては、暴露された部位の皮膚はびまん性に赤くなって、ときに浮腫(ふしゅ)(むくみ)や水疱(すいほう)を生じ、自覚症状として軽いひりひりするような痛み、あるいはかゆみを伴う。発赤したものは熱傷第一度、水疱を生じたものは熱傷第二度に相当する。数日でこの急性症状が消え、表皮はかさかさと落屑(らくせつ)性になり、むけ落ちる。ついで紫外線の刺激によってメラニンが増加し、皮膚の褐色化がおこる。全身症状としては、一過性の疲労感が初日に現れる。日焼けが広範囲にわたっておこると、発熱、下痢、腎(じん)炎などがみられることもあるので注意する必要がある。
 なお、ある特定の人の場合、ある種の薬剤を内服したり局所に外用すると、その物質が光を吸収して光線感受性物質をつくったり、あるいはその化学構造が体内で変化して光線感受性物質となることがある。このような人では、普通は日焼けをおこさない程度の弱い日光光線の照射を受けても、容易に皮膚が赤くなったり、丘疹(きゅうしん)(ぶつぶつ)ができたり、小さい水疱をつくったりする。これを光線過敏という。また、ある特定の人は、光線感受性物質と無関係に、同様の弱い日光光線の照射後に皮膚に同様の症状をおこすことがある。これは多形日光疹とよばれる。
 日焼けを防ぐには、10%パラアミノ安息香酸親水軟膏(なんこう)のような日焼け止めクリームを使用する。治療としては、副腎(ふくじん)皮質ホルモン剤含有軟膏またはクリームの外用が有効であるが、広範囲におきて重症の場合や、水疱をつくって痛みを伴う場合は、全身療法として抗ヒスタミン剤の内服、またはこれに加えて非ステロイド系消炎鎮痛剤あるいは副腎皮質ホルモン剤が必要となる。[伊崎正勝・伊崎誠一]

美容

英語では、日光に当たって色が黒くなることをサンタンsuntanといい、短時間に焼いて皮膚が赤くなり、ひりひりと痛みを伴う状態のことをサンバーンsunburnと、区別してよぶ(burn=やけど)。日本では、この二つを区別することなく、どちらも「日焼け」といっているが、太陽の恵みに強い関心をもつ欧米では、とりわけ小麦色の肌イコール健康的というイメージが強く、はっきりと区別する。ほどよい日焼けは健康的でいいものだが、過度に紫外線に当たり、一度に日焼けをすると、やけどと同じ症状を示し、「しみ」の一因ともなるうえ、皮膚癌(がん)の誘因にもなるといわれているので、注意が必要だろう。日焼けオイルやローションを使用して、徐々に黒くするなど、直射日光から皮膚を守るべきである。[横田敏一]

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六訂版 家庭医学大全科の解説

どんな障害か

 日光によって起こる皮膚の変化で、サンタン(色素の増加)とサンバーン(日光によるやけどの状態)があります。

 日焼けを起こすのは紫外線です。紫外線には長波長(UVA)、中波長(UVB)、短波長(UVC)の紫外線があり、通常は短波長のUVCは地表には届きません。

 日焼けを起こすのはUVAとUVBで、とくにUVBの作用が重要です。紫外線は皮膚の細胞にはたらいて、微少な障害を与えて炎症を起こす物質をつくったり、DNAに傷をつけたりします。

症状の現れ方

 日焼けを起こしやすい人と起こしにくい人がいます。日本人ではスキンタイプをⅠ~Ⅲに分けています。

 タイプⅠは、日光に1時間くらいあたると赤くなりますが、その後は皮膚にメラニン色素は出てきません。

 タイプⅡでは、日光にあたると赤くなって、その後、皮膚の色がやや黒くなります。

 タイプⅢでは、日光にあたると赤くならずに、その後、黒くなります。

 紫外線量の多い時期に日光にあたる時間が長いと、日光によるやけどが起こります(サンバーン)。皮膚は赤くなってはれて痛みを伴います。症状が強い場合は水疱(すいほう)が現れます。

検査と診断

 小児期から強い日焼けをしやすい場合は、色素性乾皮症(しきそせいかんぴしょう)などを除外する必要があります。

治療の方法

 海水浴などで、紫外線を長時間浴びて皮膚が真っ赤になったような場合は、消炎薬やステロイド薬を使用する必要があります。

 水疱ができた場合は、熱傷(ねっしょう)に準じた治療を行います。

障害に気づいたらどうする

 通常の日焼けは、特別な治療は必要ありません。むしろサンスクリーンで予防することが大切です。症状が強い場合は、皮膚科医の診察を受けてください。

堀川 達弥

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世界大百科事典内の日焼けの言及

【光線過敏症】より

…ヒトが一定量以上の紫外線を受けると日焼けなどの光線皮膚障害を起こすが,少量の光線で皮膚障害を起こす場合を光線過敏症という。より厳密に定義すれば,光線に対して皮膚が量的または質的に異常に反応する状態ということになる。…

※「日焼け」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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