デジタル大辞泉 「日焼け」の意味・読み・例文・類語
ひ‐やけ【日焼け/▽陽焼け】
1 強い日ざしを受けて肌が黒みを帯びたり、炎症を起こしたりすること。「―した顔」《季 夏》「タイピスト倦めり―の腕長く/草城」
2 日光を受けて変色すること。「―した壁紙」
3 日照りで、池・田・川などの水がなくなったり草木・作物が枯れたりすること。
翻訳|sunburn
(1)Schauder S, Ippen H. Contact and photocontact sensitivity to sunscreens. Review of a 15-year experience and of the literature. Contact Dermatitis. 1997; 37:221.
(2)Heurung AR, Raju SI, Warshaw EM. Adverse reactions to sunscreen agents: epidemiology, responsible irritants and allergens, clinical characteristics, and management. Dermatitis. 2014; 25:289.
(3)Agin PP, Ruble K, Hermansky SJ, McCarthy TJ. Rates of allergic sensitization and irritation to oxybenzone-containing sunscreen products: a quantitative meta-analysis of 64 exaggerated use studies. Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2008; 24:211.
(4)Duteil L, Queille-Roussel C, Lorenz B, et al. Related Articles, A randomized, controlled study of the safety and efficacy of topical corticosteroid treatments of sunburn in healthy volunteers. ClinExpDermatol. 2002;27:314-318.
(5)Faurschou A, Wulf HC. Topical corticosteroids in the treatment of acute sunburn: a randomized, double-blind clinical trial. Arch Dermatol. 2008; 144:620.
出典 法研「EBM 正しい治療がわかる本」EBM 正しい治療がわかる本について 情報
医学的には日光皮膚炎をさす。これには熱傷(やけど)に相当する皮膚変化がみられる狭義の日焼けと、皮膚の褐色化をもたらす色素増強suntanが含まれる。また、広義の日光皮膚炎には光線過敏症によるものも含まれる。日光に含まれる紫外線のうち、日焼けをおこすのは波長が320ナノメートル以下であり、色素増強をもたらすのは波長が300~400ナノメートルといわれる。紫外線のうち波長が290ナノメートル以下の短波長のものは、オゾン層に吸収されるほか、空気中で散乱されたりして地上に達するものはほとんどない。また、普通の窓ガラスはおよそ315ナノメートル以下の波長をもつ紫外線を吸収して通過させないので、窓ガラス越しの太陽光では日焼けをおこさず色が黒くなるわけである。なお、水面や砂、雪などからの反射光線も日焼けをおこし、とくに雪によるものは雪焼けとよばれている。
通常、照射後2~6時間の潜伏期を経て皮膚は赤くなり紅斑(こうはん)を生ずる。潜伏期間は、日光に対する皮膚の暴露時間および光線の強さによる。また、メラニンには紫外線を吸収する作用があり、表皮にこのメラニン色素が少ない白色人種は、有色人種に比べて日焼けをおこしやすい。
症状としては、暴露された部位の皮膚はびまん性に赤くなって、ときに浮腫(ふしゅ)(むくみ)や水疱(すいほう)を生じ、自覚症状として軽いひりひりするような痛み、あるいはかゆみを伴う。発赤したものは熱傷第一度、水疱を生じたものは熱傷第二度に相当する。数日でこの急性症状が消え、表皮はかさかさと落屑(らくせつ)性になり、むけ落ちる。ついで紫外線の刺激によってメラニンが増加し、皮膚の褐色化がおこる。全身症状としては、一過性の疲労感が初日に現れる。日焼けが広範囲にわたっておこると、発熱、下痢、腎(じん)炎などがみられることもあるので注意する必要がある。
なお、ある特定の人の場合、ある種の薬剤を内服したり局所に外用すると、その物質が光を吸収して光線感受性物質をつくったり、あるいはその化学構造が体内で変化して光線感受性物質となることがある。このような人では、普通は日焼けをおこさない程度の弱い日光光線の照射を受けても、容易に皮膚が赤くなったり、丘疹(きゅうしん)(ぶつぶつ)ができたり、小さい水疱をつくったりする。これを光線過敏という。また、ある特定の人は、光線感受性物質と無関係に、同様の弱い日光光線の照射後に皮膚に同様の症状をおこすことがある。これは多形日光疹とよばれる。
日焼けを防ぐには、10%パラアミノ安息香酸親水軟膏(なんこう)のような日焼け止めクリームを使用する。治療としては、副腎(ふくじん)皮質ホルモン剤含有軟膏またはクリームの外用が有効であるが、広範囲におきて重症の場合や、水疱をつくって痛みを伴う場合は、全身療法として抗ヒスタミン剤の内服、またはこれに加えて非ステロイド系消炎鎮痛剤あるいは副腎皮質ホルモン剤が必要となる。
[伊崎正勝・伊崎誠一]
英語では、日光に当たって色が黒くなることをサンタンsuntanといい、短時間に焼いて皮膚が赤くなり、ひりひりと痛みを伴う状態のことをサンバーンsunburnと、区別してよぶ(burn=やけど)。日本では、この二つを区別することなく、どちらも「日焼け」といっているが、太陽の恵みに強い関心をもつ欧米では、とりわけ小麦色の肌イコール健康的というイメージが強く、はっきりと区別する。ほどよい日焼けは健康的でいいものだが、過度に紫外線に当たり、一度に日焼けをすると、やけどと同じ症状を示し、「しみ」の一因ともなるうえ、皮膚癌(がん)の誘因にもなるといわれているので、注意が必要だろう。日焼けオイルやローションを使用して、徐々に黒くするなど、直射日光から皮膚を守るべきである。
[横田敏一]
日光によって起こる皮膚の変化で、サンタン(色素の増加)とサンバーン(日光によるやけどの状態)があります。
日焼けを起こすのは紫外線です。紫外線には長波長(UVA)、中波長(UVB)、短波長(UVC)の紫外線があり、通常は短波長のUVCは地表には届きません。
日焼けを起こすのはUVAとUVBで、とくにUVBの作用が重要です。紫外線は皮膚の細胞にはたらいて、微少な障害を与えて炎症を起こす物質をつくったり、DNAに傷をつけたりします。
日焼けを起こしやすい人と起こしにくい人がいます。日本人ではスキンタイプをⅠ~Ⅲに分けています。
タイプⅠは、日光に1時間くらいあたると赤くなりますが、その後は皮膚にメラニン色素は出てきません。
タイプⅡでは、日光にあたると赤くなって、その後、皮膚の色がやや黒くなります。
タイプⅢでは、日光にあたると赤くならずに、その後、黒くなります。
紫外線量の多い時期に日光にあたる時間が長いと、日光によるやけどが起こります(サンバーン)。皮膚は赤くなってはれて痛みを伴います。症状が強い場合は
小児期から強い日焼けをしやすい場合は、
海水浴などで、紫外線を長時間浴びて皮膚が真っ赤になったような場合は、消炎薬やステロイド薬を使用する必要があります。
水疱ができた場合は、
通常の日焼けは、特別な治療は必要ありません。むしろサンスクリーンで予防することが大切です。症状が強い場合は、皮膚科医の診察を受けてください。
堀川 達弥
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
日光の中の紫外線の刺激によって皮膚が赤くなり,その後に色素沈着が起こった状態。太陽からの紫外線のうち290nm以下の波長の紫外線はオゾン層で遮断されるので,それ以上の波長の紫外線が地上に達する。日焼けの炎症反応を起こすのは,このうち波長290~320nmの中波長紫外線である。体に当たった紫外線の大部分は表皮で吸収されるが,約10%が表皮の下の真皮に達するといわれている。紫外線が深部に達するのを保護する作用としては,表皮角層の反射作用,表皮内の散乱作用があるが,最も重要なのは表皮基底層に存在するメラニン色素による吸収作用で,これにより光線が深部に入るのを防いでいる。しかし,このような皮膚の防御能力を超えて,過度の紫外線に照射された場合,皮膚は障害を起こす。これが一般にいわれる日焼けで,医学的には日光皮膚炎solar dermatitisという。晴天下の海水浴,スキー,戸外労働などではよく起こり,色の白い人のほうが色の黒い人より起こしやすい。午前10時ころから午後2時ころまでの日光が最も強い作用をもつ。日光に当たった部分は赤くなり,日焼けは6~12時間で最高となり,痛みと灼熱感があり,症状の強いときには水疱も生ずる。最も重い場合には,発熱,吐き気,頻脈,意識混濁などを合併することがある。2~7日で皮がむけるが,あとに褐色の色素沈着を残し(これをサンタンsuntanという),約10日後には最高となる。こうした日焼けの発生機序については,まだ十分にわかっていない。日焼けの軽い場合にはとくに治療の必要はないが,重症の場合にはやけど(熱傷)と同様の治療を行う。すなわち,局所を冷やし,症状に応じて抗生物質や副腎皮質ホルモン剤の軟膏を使う。日焼けの予防としては,遮光のために,パラアミノ安息香酸やベンゾフェノンを含む〈日焼止め〉(光線遮断剤,サンスクリーン)が使われる。長期間にわたって日焼けを繰り返していると,皮膚の結合組織が障害されてしわの多い皮膚となり,さらに前癌症状や皮膚癌を発生しやすくなるので注意すべきである。また,少量の日光光線でも日焼けを起こす場合を光線過敏症というが,遺伝性の色素性乾皮症,ポルフィリン症などの代謝異常症,エリテマトーデスなどの膠原(こうげん)病,薬剤による薬疹の一種など,特殊な病気がひそんでいることも考えられるので,診察・検査をうける必要がある。
執筆者:藤澤 龍一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…ヒトが一定量以上の紫外線を受けると日焼けなどの光線皮膚障害を起こすが,少量の光線で皮膚障害を起こす場合を光線過敏症という。より厳密に定義すれば,光線に対して皮膚が量的または質的に異常に反応する状態ということになる。…
※「日焼け」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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