家庭医学館 「先天性耳瘻孔」の解説
せんてんせいじろうこう【先天性耳瘻孔 Congenital Aural Fistula】
両方の耳の孔(あな)の上のほうに見られるくぼみや孔で、それをゾンデ(袋状のものを探る棒状の器具)でたどると、耳の軟骨の上を細長い袋のように2~3cmくらい後方にむかって伸びる盲管(もうかん)になっています。多くは生まれたときから存在します。
その孔のところに黄色い栓(せん)のようなものがあったり、炎症をおこして孔の周囲が赤く腫(は)れ、孔から膿(うみ)が出たり、痛んだりすることがあります。
[治療]
これらの症状を何回もくり返す場合は、この盲管をまわりから剥離(はくり)して取ってしまう摘出術(てきしゅつじゅつ)を行なうと、根治します。
[日常生活の注意]
炎症がおこらないように耳を清潔にし、腫れや痛みが軽いうちに薬の内服などで炎症の増悪(ぞうあく)を防ぎましょう。
あまり頻繁(ひんぱん)に炎症をくり返すと、皮膚炎が広がり、摘出術を行なう際の切開などの妨げになったり、目立つ傷跡が残ったりすることもあります。