化学辞典 第2版 「光電気化学」の解説
光電気化学
ヒカリデンキカガク
photoelectrochemistry
半導体電極により,光エネルギーを化学エネルギーや電気エネルギーに変換する電気化学の分野をいう.光触媒や増感色素太陽電池などがある.n型半導体電極を溶液中でカソード分極すると,過剰電子があるため還元反応により電流が流れるが,アノード分極をしても整流作用により酸化電流は流れない.半導体のバンドギャップ以上のエネルギーをもつ光を照射すると,価電子帯にある電子が伝導帯に励起され,価電子帯に生成した正孔により溶液中の還元体が酸化される.これを光電流とよぶ.すなわち,光のエネルギーが電気エネルギーに変換されたことになる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報