伝導帯(読み)でんどうたい(英語表記)conduction band

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

伝導帯
でんどうたい
conduction band

結晶内の電子のエネルギー帯において,電子が占めているエネルギー帯のうち最も高いエネルギーにあり,しかもその一部分エネルギー準位しか電子によって満たされていないエネルギー帯。金属では絶対零度でも伝導帯内に電子が存在するが,半導体の伝導帯内の電子は禁制帯をへだててエネルギーの低い価電子帯の電子が熱的に励起されて生じたものであり,絶対零度では電子は存在しない。絶縁体では価電子帯とへだてる禁制帯のが大きく (3~4eV以上) ,通常の温度では伝導帯に電子は存在しない。伝導帯内には電子に占められていない空いたエネルギー準位があるため,伝導帯内の電子は電界によって加速され,これらの空いた準位に移り電流が流れる。これが金属や半導体の導電現象である。

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デジタル大辞泉の解説

でんどう‐たい〔デンダウ‐〕【伝導帯】

結晶のバンド構造の中で、電気伝導に寄与する自由電子がとるエネルギー帯絶縁体半導体いずれの場合でも、通常は電子が存在しない空の状態であり、禁制帯のエネルギー幅を超えて価電子帯の電子が励起されると、電流が流れる。導体の場合、フェルミ準位よりも高いエネルギー帯が伝導帯となる。

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世界大百科事典内の伝導帯の言及

【半導体】より


[固有半導体]
 図2のaの状態は,結晶の最低エネルギーの状態であり,0Kに相当する。しかし,充満帯上端とからっぽのバンドとの間のギャップEGが小さい結晶の場合には,温度が上がると,いくらかの電子が熱エネルギーを受け取って,充満帯から上のあいたバンド(伝導帯)に上がりこむ(図3-a)。伝導帯に上がった電子は伝導電子となって電気伝導性をひき起こす。…

【バンド構造】より

…価電子帯valence bandともいう)は電流を流すことはできない。したがって,フェルミ準位が禁止帯にあって,充満帯と完全に空のエネルギー帯(伝導帯conduction band。この場合とくに空帯ともいう)がエネルギーギャップ(禁止帯の幅のことでバンドギャップともいう)によって隔てられている場合(図2のa),熱的にあるいは光の吸収などによって充満帯の電子が上の空帯に励起されないかぎり電流は流れないので絶縁体(エネルギーギャップが小さい場合は半導体)になる。…

※「伝導帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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