日本大百科全書(ニッポニカ) 「化学エネルギー」の意味・わかりやすい解説
化学エネルギー
かがくえねるぎー
chemical energy
元素または化合物の中に化学結合として蓄えられているエネルギー。したがって、これら化合物(または元素単体)間に化学変化、原子の組み換えがおこれば、それに伴って、蓄えられている化学エネルギーも変化し、それが減少すれば外部にエネルギー(通常は熱量)を放出し(発熱反応)、増加すれば外部からエネルギー(通常は熱量)を吸収する(吸熱反応)。人工的に利用しているエネルギーの大部分は各種燃料の燃焼によって生ずる反応熱である。化学エネルギーの変化は、熱量の出入り以外に、電気的エネルギー(たとえば燃料電池を含む各種の電池の場合)または光エネルギーとして外部に取り出すことができる場合もある。地球では太陽エネルギーが植物に吸収され、これが各種の化学エネルギーに変換されて古代から人類の活動に役だっている。
[戸田源治郎・中原勝儼]