入紐(読み)いれひも

精選版 日本国語大辞典 「入紐」の意味・読み・例文・類語

いれ‐ひも【入紐】

〘名〙
狩衣(かりぎぬ)、直衣(のうし)、袍(ほう)など、装束盤領(まるえり)の頸紙(くびかみ)開閉に用いる紐。結び玉にした雄紐を輪形の雌紐に差し入れて、留める。
古今(905‐914)恋一・五四一「よそにして恋ふれば苦しいれひもの同じ心にいざ結びてん〈よみ人しらず〉」
② 土地などの境界を決めること。
大乗院寺社雑事記‐明応元年(1492)八月二八日「領知入紐支証には、奈良を南里、北里と号は、春日大鳥居のすくを北南に分也、〈略〉神事方に入紐事不是非
[補注]①の「古今集」の例は「いれひもの」を「結ぶ」または、「同じ」にかかる枕詞とする説もある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android