装束(読み)ショウゾク

デジタル大辞泉 「装束」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ぞく〔シヤウ‐〕【装束】

1 衣服を身に着けること。装うこと。また、その衣服。装い。いでたち。多く、衣冠・束帯など、特別な場に合わせたものについていう。「旅の装束」「白装束」
「四人は孔雀くざくの―す」〈宇津保・楼上下〉
2 家屋・道具などを飾りつけたり整えて支度したりすること。しつらえ。また、その装飾品。
「御車の―解きて」〈かげろふ・中〉
[類語](1)服・洋服・和服・衣い・衣ころも・衣料品・衣料・衣服・衣類・着物・着衣・被服・お召物・衣装・ドレス・洋品・アパレル・略服・ふだん着・略装・軽装・着流し・カジュアル・よそゆき・一張羅・街着・礼服・式服・フォーマルウエア・礼装・正装・既製服・レディーメード・既製・出来合い・吊るし・プレタポルテ・注文服・オーダーメード・私服・官服・制服・ユニホーム・学生服・軍服・燕尾服・喪服・セーラー服・水兵服・背広・スーツ

そう‐ぞく〔サウ‐〕【装束】

1 「しょうぞく(装束)1」に同じ。「壺つぼ―」
「―の袴はかまを取り寄せさせ給ひて」〈源・夕顔〉
2 「しょうぞく(装束)2」に同じ。
「参りて奏せむ。車に―せよ」〈大鏡・花山院〉

そう‐ずく〔サウ‐〕【装▽束】

「しょうぞく(装束)」に同じ。
「二人の婿の―」〈落窪・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「装束」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ぞくシャウ‥【装束】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 衣服。着物。衣裳。そうぞく。
    1. [初出の実例]「羅陵王装束一具」(出典:西大寺資財流記帳‐宝亀一一年(780)一二月二五日)
  3. ② ( ━する ) 衣服や装身具、調度の類を完備して配置すること。衣冠、束帯、直衣(のうし)などで装うこと。身じたくすること。また、その装い。いでたち。そうぞく。
    1. [初出の実例]「四人は孔雀のしゃうぞくす」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上下)
    2. [その他の文献]〔北史‐李弼伝〕
  4. ③ ( ━する ) 家屋、庭、また道具などを装飾すること。また、その装飾品。しつらえ。そうぞく。
    1. [初出の実例]「太神正殿装束六物。壁代生絁御帳二条」(出典:皇太神宮儀式帳(804))
    2. 「沈(ぢん)の念珠の虎珀の装束したるを押攤(おしもみ)て」(出典:今昔物語集(1120頃か)三一)
  5. ④ 合羽の留め具。

そう‐ぞくサウ‥【装束】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 衣服。着物。衣装。しょうぞく。
    1. [初出の実例]「たてる人どもは、さうぞくの清らなること物にも似ず」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  3. ② ( ━する ) 衣服や装身具、調度の類を完備して配置すること。衣冠、束帯、直衣などで装うこと。身じたくすること。また、その装い。いでたち。しょうぞく。そうずく。
    1. [初出の実例]「人のめでたきさうぞくし、沈(ぢん)、麝香(ざかう)にしめて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)嵯峨院)
  4. ③ ( ━する ) 家屋や庭、また道具などを装飾すること。また、その装飾品。しつらえ。しょうぞく。
    1. [初出の実例]「よくさうぞくしたる数珠(ずず)かいまさぐり、手まさぐりにして」(出典:枕草子(10C終)三三)

そう‐ずくサウ‥【装束】

  1. 〘 名詞 〙 =そうぞく(装束)
    1. [初出の実例]「女のさうずくをかづけんとす」(出典:阿波国文庫旧蔵本伊勢物語(10C前)四四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「装束」の意味・わかりやすい解説

装束
しょうぞく

朝廷や貴族が用いる調度や威儀具などの一そろい。また衣服、武具、馬具、輿車(よしゃ)などの様式にかなった装いの組合せ。装束は元来、御帳(みちょう)台、椅子(いし)、床子(しょうじ)、茵(しとね)、畳などの座臥(ざが)具、御簾(みす)、壁代(かべしろ)、几帳(きちょう)、軟障(ぜじょう)、屏風(びょうぶ)、障子などの屏障(へいしょう)具、厨子(ずし)、棚、唐櫃(からびつ)、筥(はこ)、鏡台などの什器(じゅうき)類を正しく敷設し配置することと、庭上の幡(ばん)、旗、矛、盾、弓箭(きゅうせん)など威儀具の舗設、装備の意味を表す語であった。

 平安時代に調度の配置、室内の装飾のことを室礼(しつらい)というようになり、装束の語はおおよそ服装に関して使われる場合が多くなり、さらに「装束する」というように動詞化した用法も認められる。公家(くげ)の服装についての規範は古くは推古(すいこ)天皇11年(603)に定められた冠位十二階の制や、養老(ようろう)の衣服令(りょう)などの服制に求められる。衣服令で公服を3種に分けて礼服(らいふく)、朝服、制服とし、礼服は五位以上の者が儀式のとき、朝服は有位の者が参朝のとき着装し、それぞれ文官、武官、女官の区別がある。制服は無位の者、庶人が公事(くじ)に従うときに着用する。平安時代になって、男子の礼服は即位式の際のみで、朝服が儀式にも用いられるようになった。この礼装化した朝服は束帯とよばれ、晴装束または昼(ひの)装束ともいわれ、宿直(とのい)装束と区別した。このころから公家の衣服の身頃(みごろ)や袖(そで)など広く、大きくなり始め、非常に優雅な様式のものとなって、服装の和様化が進んだ。

 女子は儀式に臨むことが少なくなり、礼服を用いる機会がほとんどなくなって、儀式のときはかんざし、領巾(ひれ)、裙帯(くんたい)を加えて礼装化した朝服を用い、晴装束とした。女子の朝服も長大化し、襲(かさ)ね着形式となるとともに、日常は裳(も)を着けず、唐衣(からぎぬ)(背子(はいし))も省略したため、これらを着装した姿を裳・唐衣ないし女房装束とよんだ。これは後世において、通俗に十二単(じゅうにひとえ)といわれている。

 束帯を簡略化したものが布袴(ほうこ)や衣冠(いかん)で、朝服に準ずる公服であるため、冠をかぶり位袍(いほう)を着用する。律令(りつりょう)制に基づく公的生活に用いられる礼服や朝服に対して、一定の規範に従うが、日常の私的生活で個人の好みによって着装するものを褻(け)の装束と称した。これには男子の直衣(のうし)、小(こ)直衣、狩衣(かりぎぬ)など烏帽子(えぼし)をかぶる姿が、女子の袿(うちき)や衵(あこめ)、細長などの姿があげられる。一日晴といって、その日1日だけ華やかに好みの色や文様の下襲(したがさね)や表袴(うえのはかま)などを着る姿を染(そめ)装束とよんだ。童(わらわ)装束として、束帯の場合でも髪形がみずらで冠をかぶらず、脇(わき)を縫わずにあけられた闕腋(けってき)の袍を用いる。そのほか童直衣や半尻(はんじり)の狩衣、童水干(すいかん)などが親しまれた。

 童女の装束には衵や汗衫(かざみ)が用いられ、年少の男女は、おおむね濃い色、小形の文様の衣服が用いられた。下級官人で行列の供奉(ぐぶ)をする随身は褐衣(かちえ)を着用し、召具装束とした。そのほか、下級官人が着る水干や退紅(たいこう)、白張(はくちょう)などは制服の流れをくむものである。女子が旅に出るときに、袿の裾(すそ)を引き上げて着装し、その形状から壺(つぼ)装束とよんだ。院政期以後流行をみた強(こわ)装束は、服装の輪郭が直線的で剛ばった調子のものをいい、従来のしなやかな線を描くものを柔(なえ)装束とよんで区別した。公家の品格を尊ぶ美意識から、自由な気分を表す染文様より、整然と反復する織文様を中心とし、さらに文様より色彩を重視し、装束の語が示すごとく、個々の色彩や文様より全体の様式美を配慮する服装といえよう。

[高田倭男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

普及版 字通 「装束」の読み・字形・画数・意味

【装束】そう(さう)ぞく

衣裳。身じたく。〔世説新語、排調〕桓大司馬(温)に乘じて獵(れふ)せんと欲す。~眞長(劉)其の裝束の單なるを見て問ふ、老此れを持して何を作(な)さんと欲すると。桓曰く、我し此れを爲さずんば、(けい)が輩、亦た(なん)ぞ坐談することを得んと。

字通「装」の項目を見る。

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

百科事典マイペディア 「装束」の意味・わかりやすい解説

装束【しょうぞく】

〈そうぞく〉とも読む。物を飾ること。中古以来公武男女の公服,すなわち束帯,衣冠,直衣(のうし),狩衣(かりぎぬ),直垂(ひたたれ),裳(も),唐衣(からぎぬ)等を身を飾るという意味で装束と呼び,また朝廷の公事(くじ)儀式が行われる際,式場を装飾することも装束するという。
→関連項目狩衣|立涌|朝服|腹巻|有職文様

装束【そうぞく】

→装束(しょうぞく)

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

菊の節供,九月節供,重九 (ちょうく) ともいう。五節供の一つ。旧暦9月9日の節供で,奈良時代より,宮中では天皇が紫宸殿に出御し,群臣に宴を賜わり詩歌文章をつくらせる菊花の宴が行われ,年中行事となった...

重陽の用語解説を読む