入銀(読み)ニュウギン

デジタル大辞泉 「入銀」の意味・読み・例文・類語

にゅう‐ぎん〔ニフ‐〕【入銀】

入金1」に同じ。
「過分の―算用なしに遣ひかかり」〈浮・好色盛衰記〉

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精選版 日本国語大辞典 「入銀」の意味・読み・例文・類語

にゅう‐ぎん ニフ‥【入銀】

〘名〙
① (江戸時代に用いられた語) =にゅうきん(入金)
浮世草子・好色盛衰記(1688)三「外よりは過分の入銀」
② 江戸時代、本の出版に際し、購入希望者が予約金を納めること。また、その金銭
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第三一「治って風桜板下に(ちり)はめて〈友雪〉 入銀の山おのづから雲〈近雪〉」
明治・大正時代、出版界で行なわれた商慣習版元が、売れ行きを期待した書籍の実物見本とともに入銀帳を取次店に回し、所要部数の記入を求め、版元はこの部数に対しては祝儀として卸正味を安くしたこと。

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世界大百科事典(旧版)内の入銀の言及

【水塩入銀】より

…江戸時代,瀬戸内沿岸の十州塩田でみられた塩の販売方法。入銀(いれぎん)とか春塩買また先塩(さきしお)入銀などとも呼ばれた。翌年の春から夏にかけて生産される塩を,暮れに現金を前渡しして買い付けておく。…

※「入銀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」